業務日誌 08年07月
07月25日(金) 個人再生(債務がそれほど多くない場合)その2
前回に引き続いて費用の分割払いと、現在の状況確認。
分割払いもほぼ終わったので、裁判所に提出する書類の準備に移る。
まず、本人には、裁判所に提出する「陳述書」の下書きをしていただく。
現在の職業、収入、家族構成、毎月の収支の状況、財産のリスト、債務が増加した事情などを報告する書類。
このように書くと難しそうだが、裁判所がアンケートのような書類を用意しているので、間違っていてもよい、最終的にはこちらがチェックしてきちんとするので、一通り書いてみて下さい、ということになる。
債務が増加した事情の説明は、本人に書いてもらうのはなかなか大変なので、債権者から送られてきた債権届出書と照らし合わせながら、本人に、借りた事情を話してもらうことになる。
これについても、借入件数が多かったり、長年貸借りをしていたりすると、「○○に使った」とははっきりいえないものも多い。
ただ、収入がそれなりにあるのに、突然借金することはないわけで、「勤務先が倒産した」とか、「高い車をローンで買った」とか、最初に借りた理由、それが完済できずに、債務が増えていった理由について、筋が通った話ができればよいということになる。
財産のリストについては、本人が持っている財産を確認し、関係する書類を用意してもらうことになる。
今回の方については、以下のようになった。
(1)2つの銀行に口座を持っている→それぞれの銀行の通帳
(2)車1台→車検証と、車の時価を証明するため、どこかで査定をしてもらう(とはいっても、実際に売るわけでもないのにあまり細かくやってもらうのも悪いので、購入店などで簡単に見積もってもらう)
(3)車の任意保険→保険の証券
以上の書類を用意してもらい、リストはこちらで作成する。
その他、住民票、給与明細、家を借りている契約書など。
次回までに、これらの書類を用意してもらうことにする。
07月06日(日) 振込め詐欺被害者救済法
正式名称「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」で、先月から施行された。
概要は以下のとおり。
(1)警察などは、振込め詐欺やヤミ金などの犯罪に利用されている口座がある場合、銀行に通報する。
(2)通報を受けた銀行は、口座を凍結する。
(3)その上で、預金の権利者への公告などの手続する。
(4)期間が経過しても、正当な権利者が現われない場合、口座の資金を被害者に返還(分配)する。
弁護士などからの届出も、(1)の通報に含まれる。
この手続のため、日弁連と銀行業界で作った届出書式が各事務所に配布されている。
専門的に見ると、加害者に対する裁判も起こさずに、預金を強制的に解約し、資金の返還を受けられるというのは、かなり思いきった措置で、強力な法律といえる。
もっとも、加害者の側も、それに対応して、振込まれたお金はすぐ口座から下ろす、といった対抗手段をとると思われるので、なんだかんだで被害救済は容易でないことは変わらない。
もう一つ面白いのは、振込め詐欺やヤミ金といった典型的な振込利用犯罪だけでなく、「詐欺その他の人の財産を害する罪の犯罪行為であって、財産を得る方法としてその被害を受けた者からの預金口座等への振込みが利用されたもの」には適用できるとされている点。
文字通りに読めば、ヤクザに恐喝(これも財産を害する犯罪)されて、お金を振込みさせられた、という場合にも活用できることになる。
ただ、この場合には、銀行に、「恐喝された」という認定をしてもらわなければならないので、「振込み口座を書いてある脅迫状」のような分かりやすい証拠でもない限り難しいとは思われる。