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業務日誌 08年05月

05月19日(月) 親権の決定基準

離婚の際の親権の決定基準について検索してみると、「子の福祉の観点から決定される」「小さい子は母優先」というような話がでてくると思う。
しかし、場合によっては一番重要な基準となるのは、「子が現にどちらに(父方、母方)にいるか」である。
親権の決定の際には、父母両方の意見も聞いて、さらには調査官を子のところに派遣して生活状況を確認する。
しかし、それで分かるのは子の生活状況のごく一部でしかないので、どうしても限界がある。
仮に、調査の結果、「母方のほうがよいのでは」という結論になったとしても、現に、父方で一応安定した生活をしているのなら、それをむりやり母に引渡せ、というのも乱暴かもしれない。
こういった理由で、親権については「現状維持」も一つの基準となる。

よくある相談は、母が子を連れて家を出ている場合のことなので、「小さい子は母優先」「現状維持」のどちらの基準でも結論は同じとなる。
しかし、母が、夫の暴力に耐え兼ねたり、喧嘩をしたりして、子をおいたまま家を出て、そのまま家に戻れなくなってしまったような場合、「小さい子は母優先」で行けば母だが、「現状維持」だと父となるので、難しい問題となる。
このようなケースで、以前、次のような裁判があった。

私(母側)
「原告(母)は、色々理由があって子を置いて家を出てしまいました。今でも、夫の家には近づけませんが、子が通っている保育園に行くなどして、子と会っています。子も母のほうに行きたいと言っています。調査官を派遣して、調査をしてください」
裁判官
「とはいっても、子が、父方で虐待されているわけでもなく、普通に生活しているのですよね。問題ないと思うのですが。このまま審理を進めます」

というように、そのまま行くと、父を親権者とされてしまいそうな状況だった。
しかし、しばらくした後、その裁判官が転勤となり、別の裁判官が担当になると「調査をしましょう」ということになった。
その結果、子が、強く、母の方に行きたいと言っていることが分り、親権は母となった。

このように、母であっても、一旦子を置いて家を出てしまうと、親権をとるのはなかなか難しくなってしまう。
たまに、子を置いて家を出た母からの離婚の相談もあるが、(DVでもない限りは)、以上のような点を踏まえて、一度家に戻ってよく考えたほうがよいのではとアドバイスすることにしている。

(おまけ)
以上は、親権の取り合いという観点で書いたが、本当は、「貸した金を返せ」というように、白黒つける問題ではないのだと思う。
外国のことはあまり知らないのだが、「先進国」では、離婚した後も、公的な機関が関与して、両親が子にかかわっていく制度となっているようだ。
裁判員なんかに何十億も使うお金があるのなら、こういった普通の人の生活にかかわることに予算をつけていくべきではないかと思うのだが。

05月15日(木) 離婚 その1

離婚調停の第1回期日。
私は妻側で、夫がまじめに働かず、酒を飲んで粗暴な言動をするので離婚したい、という話。
すでに別居となっており、お子さん(3歳)は、妻の側にいる。
ご承知のとおり、離婚について合意ができない場合は、まずは調停をして、それでだめなら裁判、という制度になっている。

まず、こちら側が調停室に入って(夫は別室で待機)、調停委員にこちらの言い分を説明する。
その後、夫と交代し、調停委員から、こちらの言い分を伝えてもらう。
その次に、再び、夫とこちらが交代し、こちらの言い分に対する夫の反応を教えてもらう。
調停はこの繰返しなので、時間がかかる。

夫の言い分としては、働かなかったり粗暴な言動をしたことは認めるが、離婚はしたくない。仮に離婚になったとしても親権は譲らない、とのこと。
これまでの経緯からして、離婚したくないというのはとおらないだろうし、お子さんの年齢が小さいことや、すでにこちら側にいることも考えると、夫が親権をとるのは難しいと思われる。
ただ、第1回の期日でもあり、次の期日までに、夫も色々考えてくるかもしれないので、次回期日を約1か月後として様子を見ることになる。

05月08日(木) 個人再生(債務がそれほど多くない場合)その1

(1)債務総額250万円。3年くらい前から借り始めた
(2)ご本人の収入月20万円台前半(借家住い)
(3)住宅や自動車のローンはない

という方からの相談。
3年くらい前に仕事をかわり、引越や生活費のために借りたとのことで、借りた原因はあまり問題なさそう。

このような場合、まず、利息制限法で債務の減額ができないか検討するが、取引期間が3年程度だとそれほど減らないと思われる。
楽観的に考えて50万円減って、200万円になったとする。
任意整理で、これを分割払いの方針とした場合、3年だと1か月5.6万円、5年だと1か月3.4万円程度となる(利息は付けず、残元本だけ払う)。
3年だと、家賃も払った上で毎月6万近く払うことになるのできついと思われる。
5年なら何とかなりそうな感じもするが、債権者によっては、長期の和解を受け付けず、交渉が難航する場合もある。
また、支払期間が長くなると、一見楽にみえるが、その間、不意の出費があるかもしれないし、何よりも、5年もの間債務の返済ばかりの生活をするのも健全ではない。

そこで、こういった場合は、民事再生(個人再生)で、債権をある程度カットしてもらった上で、返済を考えることになる。
再生の内容については次回。

05月07日(水)

1か月ほど休んでいたが再開。
昨年度は毎日更新していたがまとまった記事にならなかったことを反省。
今年度は以下の方針でやることに。
(1)一日一つの話題(今扱っている案件を題材とした架空の話)とする。
(2)後で再編集して、相談から終了までの流れが分かるようにする。
(3)日々の雰囲気的なものは昨年度の日誌を見ていただくとして、今年はあまり細かいことは書かない。
(4)週2回くらい更新する。
というわけで興味のある方は読んでください。