業務日誌 08年02月
02月29日(金)
民事の証人尋問期日。
会社のお金を勝手に取ったといわれて訴えられている件。
会社側の証人は、本人には借金があるとか、怪しい行動があるなどと色々いう。
こちらからは、反対尋問で、肝心の、「いつ、どうやってお金を取ったのか」という点について、根拠があるのですか、と聞くが、はっきりした回答はない。
この件がどう転ぶかは分からないが、この尋問の結果を原因として負けることはないのではないか。
02月28日(木)
後見人をしている件で、本人が住んでいる福祉施設に出かける。
この施設には「短期入所」の扱いとなっており、住民票が移せないため、色々不都合が出ている。
正式な入所の扱いとし、住民票もその施設に移させてもらう方法はないかと相談に行ったが、本人の障害の程度の関係もあって、なかなか難しいとのこと。
あと数年は待たなければいけない模様。
事務所に戻ってから今度は東京に会議に出かける。
02月27日(水)
破産の債権者集会2件。
自分が管財人であるものと、申立側であるもの。
管財人のほうは、本人が入っていた保険を解約したら多少お金ができたので、債権者に配当ができることになった。
ちなみに、破産して、管財事件になった場合、裁判所から、債権届出書が送られてくる。
上のような配当を受けるためには、第1回期日までに、届出書を出しておく必要がある。
逆に、管財事件となっても、配当するほどの財産がなかったり、税金の滞納がある場合は、そちらに先にとられてしまって、一般債権者にはいかないことになる。
感覚的には、零細な会社の場合は、税金の滞納をしていることが多いので、配当までいかないことが多い。
そのような結果となることが予想される場合は、わざわざ債権届は出さなくてもよいことになる。
02月26日(火)
生活保護の受給申請のため、M市役所に依頼者と一緒に行く。
この方は、半年くらい前にも行ったが、あまり話を聞いてもらえず、以後、クレジットカードの借入れで生活していたという。
(ただし、M市役所の名誉のために言っておくと、その時点ではその方は色々混乱していて、自分の状況をうまく説明できていなかったという面はあったのかもしれない)。
保護の申請に行っても、「働きなさい」などと言われて追い返され、保護の申請書すら渡してもらえない、という事件が全国で起きている。
これを防ぐために、弁護士などが同行して、きちんと受け付けてもらえるよう話をすることになる。
私が行ったことに効果があったのかどうか分からないが、今回は、市役所の方は親切な対応で、保護の申請書も渡してもらえた。
ちなみに、クレジットで借入れをしてしまった分は、法律扶助で手続費用を立替払してもらい、破産手続をとることになる。
02月25日(月)
交通事故訴訟で和解成立。
一審の簡易裁判所の判決(こちらの過失が4:相手が6としたもの)に不満があり、控訴していた。
控訴審の地方裁判所では、「確かに簡裁の認定はどうかと思う」とのことで、こちらの過失2:相手の過失8の和解案の提示があった。
お互いこれを受入れて和解成立。
もっとも、終わったことだから言うが、一瞬の事故でもあり、こちら側にも100%の証拠があったわけではない。
相手側が、事故の直後には自分の過失を認めていた、というような警察の記録があるのが、こちらの言い分の根拠だった。
しかし、これにしてもきちんとした捜査の記録ではなく、決め手にならない」と言われればその程度のもの。
ただ、結果としては、地裁は、このような記録があることを重く見たのではないかと思う。
相手の弁護士は、ずいぶん意外そうな顔をしていたが、その弁護士の考えが間違っていたわけではない(現に、簡裁ではこちらが負けているわけだから)。
こういった、(裁判をやっている当事者から見ると)運のようなもので決まってしまう面も、裁判にはあると思う。
02月24日(日) 先物取引 その2・客殺し商法
先物被害を見ていると、最初は100万円くらいで取引を始めていたが、最終的には1000万、2000万の損で終わる、というものが多い。
100万くらいなら、つい、口車に乗って取引をしてしまうのは分からないでもない。
しかし、なぜ、まじめなサラリーマンや定年退職者が、1000万以上も出してしまうのだろうか。
これは、本人が自分の意思でやっているというより、業者側が、そのように仕組んでいるためである。
典型例は以下のようなもの。
最初の100万円の取引で、運良く値上りして、150万円まで増えたとする。
この時点で、儲かった50万円を本人に返せばよいのだが、業者側としては、それでは手数料収入が増えない。
そこで、儲かった50万円も使って、さらに大きな取引をしましょうともちかける。
このように、儲かった場合でも、お金を本人に返さず、どんどん取引に再投入させる。
しかし、相場の予想がずっと当たり続けることなどあり得ないので、どこかで値下りする。
値下りとなると、素人の被害者はあわててしまう(その場合でも、本当は、すぐに取引をやめれば大した損失でない場合もある。その1参照)。
そうすると、先物業者は「今度は、買っているのと同じだけ、『売り』(=値下りの場合に利益が出る)の取引をして、一時的に様子を見ましょう」という。
普通なら追加資金の投入などしない被害者も、「損失を回復するための一時的なものなら」と思って、買いと同じ金額を投入してしまう(これを両建てという)。
先ほどの150万の時に、同じだけ「売り」をしようと思ったら、150万を追加で入金することになり、この時点で、投入金額は300万(正確には、50万は、最初の取引の利益だが)となる。
このように、被害者としては、儲けるためではなく、損を回避するため、と思って、業者に言われるままに資金を投入していくことになる。
これが、客殺し商法であり、業者の言われるままに取引していくと、いつのまにか、顧客は大損し、そのお金が業者の取引手数料に消えていることになる。
02月22日(金)
今日は債務整理関係の相談が多かった。
以前私が整理をした人から聞いてきた、というような人が何人か。
こうやって、債務の整理ができて、経済的に正常化する人が増えていくことは、地域のためにもなる。
多重債務で何も買えない、税金も公共料金も払えない、という人が増えたのでは、地域経済にもよくないわけで、債務で悩んでいる人は、自分だけの問題ではないのだから、早く相談に行くべきだと思う。
1件、交通事故関係の打合せ。
保険会社からの提示額には不満があるが、訴訟で争っても数十万の差と思われるし、本人も事故で入院してから失業してしまい、当面の生活が大変ということで、不本意だが、提示額で話をつけることにする。
02月21日(木)
先週、業者さんが来ずに延期となっていた、賃貸物件の現地を見に行く。
この種の裁判ではビジュアルなものがあると強いのではと勝手に思っており、写真をたくさんとる。
ただそれを出すだけではよく分かってもらえないので、デジカメで撮影して、ワープロの文書に貼り付け、その横に、一枚一枚説明を書いていく。
結構面倒だが一度やってしまえば、それをもとに最後まで戦えるから、やはり最初にがんばったほうがよい。
裁判の期日が来週なので急いで完成させて提出する方針。
午後、先物事件の和解期日。
業者側の弁護士が名古屋から出てくる。
悪そうな奴だとこちらも戦う気が出てくるのだが、出てきたのは温厚そうなおじいちゃんであった。
しかも人なつこく話しかけてくる。やりづらい…
今日の裁判が終わったら、一宮の玉前神社を見て帰るという。
行ってもがっかりしますよと言っておいた。
02月20日(水)
相談、打合せ2件ずつ。
1件は、貸金の返還請求なのだが、貸すときに、市販の定型的な契約書を使っていた。
どうも、貸してから1年後から分割払いを始め、4年後に完済する、という約束だったらしいのだが、その間にいくらずつ分割払いするのかがはっきりしない。
定型の契約書を使って、記入する部分を全部埋めていないと、こういった不備な契約になることがある。
幸い、この件は、借主が別途返済計画表を差入れていたので、これが具体的な返済条件、ということで進められるのでは、という話をする。
02月19日(火)
千葉で集団解雇事件の和解期日。
原告(労働者)も、訴訟が長引き、疲れた表情。
この種の複雑な事件は長引くことが多いのだが、長くなると、労働者のような弱い側が不利になっていく。
そのため、いくら言い分が正しくても、それを通せず、中途半端な条件で解決となっていることも多いのも事実。
事務所に戻り破産の打合せ。
書類なかなか揃えてこない依頼者なので困っていたが、ようやくそろって、裁判所に提出できることになる。
02月18日(月)
東京高裁まで三和ファイナンスの過払い訴訟のため出かける。
2週間くらい前にも、別の裁判所で、三和相手の期日があり、その時は、「過払金全額を払う」という和解が成立していた。
しかし、今日は「急に会社の状況が悪くなり、払えなくなった。裁判で負けても払えない」とのこと。
どうなるか分からないが判決を待つことになる。
急いで一宮に帰り、遺産分割の調停。
お互いの言い分にだいぶ差があり、しばらく平行線だったのだが、どうも、相手側の弁護士(東京)が、現地の状況を見ていなかったため、根本的な誤解があった模様。
両者立会いで測量をする方針に。
もう一件訴訟の期日があり、夕方打合せ2件。
02月15日(金)
第1回期日が迫っている訴訟の打合せ。
最初の相談の後、こちらで、提出する文書の案を作っておいたので、それをもとに色々確認する。
近々裁判所に文書を出せる見込みに。
先日書いた貸家トラブルについて、現地を見に行く。
ここ(茂原市内)のあたりは、高校のころによく通った場所だな…懐かしい。
内装業者の方にも来ていただき、改修に必要な費用の見積もりの説明をしてもらい、裁判所に出す文書を一気に完成させる、というつもりだった。
しかし、色々行き違いで、業者の方は来ず、無駄足に。
夕方、依頼者が、別の件で、知人を連れ来られる。
相談はするが、知人の方は別の県に住んでいる。
近くの弁護士を紹介してほしいということだが、内容もしっかりしているし、近くの法律相談センターなどを利用していただいてもよいかなとも思った。
しかし、たまたま、そのあたりに親しい弁護士がいるので紹介することに。
02月14日(木)
遺産分割の調停。
何代も前からの相続で、裁判所がいくら呼び出しても出てこない関係者がいる。
遺産分割の調停は全員が合意をしないと成立できないので、これだと手続が全く進まない。
いずれどこかで書きたいが、家裁の手続(特に調停)は効率が悪いものが多い。
02月13日(水)
東京の弁護士(こちら方面出身の方)からの紹介で来た方と相談。
貸家から、借主が退去したのだが、内装を大幅に改造し上、改造したものを全て取り払っていってしまった、その上敷金は全部返せ、と言われて訴訟になっている。
契約書には、借主は退去する際には、建物を「原状(もとの状態)に戻す」という条項がある。
改造したものを取り払ったから元に戻した、というのが相手側の主張のようだ。
しかし、改造した際に、もともとあった設備なども取り払われているのだから、改造したものを取り払うだけでなく、もとあった設備を復元してもらう必要がある、というのがこちらの主張。
とりあえず、近いうちに現地を見に行くことに。
本件に限らず、「原状」とは何か、について、トラブルとなっている事例は多いので、貸す側も借りる側も注意が必要。
02月12日(火)
週末、金曜に書いた貧困問題のシンポジウムで仙台にでかけていた。
シンポジウムの前に、こんな歌を歌いながら仙台市街をデモ行進。
「税金年金納め続けても、ささやかな暮らしなどありません…
生活保護をとろう、生活保護をとろう、いのちまでとられる前に…」
02月08日(金)
交通事故訴訟で判決。
こちらの主張が認められなかった部分もあるが、ほぼ満足のいく内容。
依頼者が早く結果を知りたいとのことだったので、早速電話。
相手側が控訴するか、様子を見ることになる。
明日、貧困問題のシンポジウムのため、仙台行きの新幹線の券を買いに行く。
しかし、3連休のためか、全席指定の席は全て満席。
困った…が、パンがなければお菓子を食べれば、ということでグリーン車にする。
グリーン車に乗って貧困問題に参加することに(グリーン車といっても4000円だけどね)
02月07日(木)
調停1件成立。
こちらが支払を求めている側であったが、相手側は、「こちらも状況は厳しい、譲歩してもらえないなら共倒れで倒産だ」と言っていた。
零細個人同士の争いなら、ほどほどで妥協するほうがよい場合も多いのだが、今回は、ある程度の売上もある会社同士の話。
こちらもそんなに無茶な金額を言っているわけではないし、最終的には折れてくるだろう、ということで強気の主張をしていた。
訴訟でも和解成立。
東京にある土地が争いとなっていた話で、こちらがかなりの金額の支払を受けることに。
景気が良さそうだが、田舎だと、土地が極限まで下がっているので、こういう話はあまりない。
02月06日(水)
国会で割賦販売法改正の院内集会に参加。
国会議員にやる気をだしてもらおう、という種類の集会なので、参加した議員には全員挨拶をしてもらう。
今回は、民主党の支持基盤の「中央労福協」(労組系の組織)が要請したため、民主党の議員が多数参加。
その後個別の議員への要請についていく。
社民党の福島みずほ党首のところに行く。
議員会館の狭い部屋(15坪くらい?)にスタッフの机や資料がびっしり。
今まで見た中で一番働いていそうな感じだ。
もっとも、与党の場合は、本当に働くところは別の場所にあるとおもうんだけど。
02月05日(火)
保佐人の手続をとっている件について、調査官と面接。
以前にも一度行っているのだが、今度は保佐の対象者ご本人にも来てもらう。
この件、福祉施設の方を通しての話であったし、療育手帳や診断書も完備していたので、本人とは会っていなかった。
しかし、調査官とのやりとりを見ていると、結構しっかりしている。
もっと軽い手続(補助)でもよかったかも、という話も出るが、保佐で進める方針となる。
午後、訴訟の打合せ。
ちょっとこちらに不利と思われる証拠が出てきていたのだが、依頼者が別の証拠となる書類を捜し出してきた。
なんとかなるかなという状況。
夕方、債務整理の相談。
借りてから長期間払っていなかった、という話で、1社を除けば全て時効と思われる。
しかし、自分の知らない間に訴訟でも起こされていたら、時効にならない場合もあるし、1社だけ残るのも負担なので、やはりまとめて破産にしたらどうか、という話をする。
02月04日(月)
午前、10時に簡裁の訴訟、その後12時まで家裁の調停。
13時に千葉に移動し、地裁で訴訟、さらに15時から東京高裁。
一日で最高裁を除く全ての種類の裁判所をまわったことになる。
簡裁は相変わらずの過払い訴訟。
それ以外は、全て、なかなか難しい事件だったので、少々気が重かったが、なぜか全てこちらの希望どおりの方向となる。
珍しくよい一日だった。
02月03日(日) 時効完成後に債務を認めたらどうなるか
金銭の債務は、一般には、5年(金融の借入れなど)、10年(個人からの借入れ)で時効となる。
それでは、時効となった後に、逃げ回っていた債務者を見つけ、催促したら「払う」と言っていた、という場合はどうなるか。
まず、債務者が、「時効を主張できることは知っているが、そんなことは言わずにきちんと払う」というつもりであった場合、それは結構なことなので禁止する理由はない。
これを、「時効の利益を放棄した」という。
これに対して、債務者が、時効になっていることを知らなかった、という場合はどうなるか。
この場合「払うとは言ったが、時効ということならやっぱり時効を主張させてもらう」ということも考えられる。
しかし、債務者が、時効のことは知らなくても、一旦払うと言った以上は、後で自分の言動を覆すことはできないという最高裁判例がある。
これを、「時効援用権の喪失」という(時効利益放棄と似ているが、こちらは、客観的には時効であるのだが、本人には時効を主張する資格はない、というもの)。
以上を前提とすると、時効になったら、自分の債務など認めず、「時効だから払わん」と主張するのが法律的には正しい態度、ということになる。
もっとも、借りたことへの負い目があるため、時効と言いたくてもいえない場合もあるだろうし、債権者に強く迫られて一時的に債務を認めるようなことを言ってしまう場合もあると思われる。
こういった場合にまで援用権の喪失とするのは気の毒なので、時効成立後に認めたら一切ダメ、ということはないと思われる。
サラ金などは、5年経って時効となっている債務でも、「1000円だけでいいから払って」と言って払わせることがある。
1000円でも払えば、債務を認めていることになるので、「援用権の喪失」となることを狙っていることになる。
しかし、債権者が、このように、「援用権の喪失」を悪用しようとしている場合は、やはり、援用権の喪失とはならない。
02月01日(金)
簡単な打合せ2件。
最近の日誌はあとで思い出して書いているのだが(ここを書いているのは2月18日)、この日だけ何があったか思い出せない…