神定大法律事務所のホームページ

業務日誌 08年01月

01月31日(木)

不動産関係の訴訟について判決があった。
こちらは被告側だったが、原告は、弁護士を頼まず、本人でやっていた。
原告は、まともな証拠を出しておらず、裁判所から、一方的に審理を打ち切られ、敗訴の判決となった。
相手側ながら気の毒だが、多少なりとも複雑な裁判になると、やはり本人では無理だと思う。
境界関係の訴訟の期日1件。
夕方、依頼者と、これから訴訟を起こす不動産の現場を見に行く。
なぜか不動産の話ばかりだった。

01月30日(水)

SFCG(旧商工ファンド)の保証人になっている人からの相談。
本来の借主が300万を払えなくなったので、保証人が300万一括して支払をしている。
もっとも、一括して払ったといっても、保証人が300万をSFCGから借りて、それで、本来の借主の債務の返済をしている。
その300万について、SFCGに返済を続けているが、支払が困難になってきたとのこと。
この状況について、細かく考えると、本来の借主は、債務を完済しているので、過払金が発生していることになる。
これに対し、保証人は、300万を借りてまだ完済していないので、債務が残っていることになる。
これって何かおかしいのではないか、ということで、対策を考えることにする。これも週末にでも。

01月29日(火)

不動産関係の訴訟の期日。
こちらは、時効での取得を主張しているが、相手側は、「原告は、時効完成後に、被告の所有権を認める言動をしており、時効は主張できない」と言っている。
これは週末にでも書きたい。
債務整理の相談2件。
どちらも全て過払いになっていそうな感じ。
東京簡裁での訴訟についての相談。
相手がはっきりした証拠もなく、弁護士が出ていくまでもないと思うので、本人で対応してもらっている。
数回期日をしているが、いまだにはっきりした証拠が出てこない。
相手側は人権問題で有名な事務所なのだが…
夕方、家裁で、年金分割についての審判。

01月28日(月)

不動産関係の訴訟で現地に行く。これで4回目くらいか。一件の裁判で行く回数としては多い方だ。
建物の補修費用について、見積もりを作った業者さんから詳しく説明をしてもらい、サインしてもらう。
専門的な建築訴訟とまではいかない程度の訴訟で修繕費などが問題になると、業者の見積もりしか出してこない弁護士もいるが、私としてはそれでは不足していると思う。
もっとも、業者さんとはいっても、依頼をしている側と親密とみられるだろうから、そう言った業者さんの説明がどこまで信用してもらえるか、という問題もある。
本来なら、別の専門家にも入ってもらい、専門的な文献でもつけて立証すれば完璧なのだろうが、そこまでやると費用も多額になってしまうので、できる範囲で最善を、というと、業者さんに協力してもらうことになる。
午後、千葉地裁で、個人の貸金業者への過払い訴訟。
和解金を一括で持参してもらってその場で解決とする。
通常、裁判の和解の場合、支払期限を決めて、後で払ってもらう。
しかし、今回は、相手が約束を守るか信用できない、ということを、相手側の弁護士も分かっており、「現金で持参する」との提案をしてくれたので、それに乗ることになった。

01月27日(日) 印鑑を勝手に押されてしまった書類の効力

自分の印のある契約書があり、それをもとに裁判を起こされているとする。
だが、「この印は自分が押したものではない。相手に印鑑を貸しているときに、勝手に押されてしまった」「家に置いておいたら、身内に勝手に使われてしまった」という場合がある。
この場合、契約書の効力はどうなるのだろうか。
民事訴訟法(228条4項)は、「私文書は、本人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」としている。
(本人自身が印鑑を押していなくても、本人の印鑑が使われている以上は、本人が押印したことも推定される)
このため、印鑑を預けている間に勝手に作られた書類であっても、本人が、その事実を立証しない限りは、本人自身が印を押したものと推定されてしまう。
そして、実際には、後になって、「印鑑を勝手に使われた状況」などを証明することは困難で、敗訴してしまうことも多い。
「印鑑証明」などという制度あるのもこのためで、(1)印鑑証明があれば、契約書に押されている印が本人の印鑑であることが証明できる→(2)本人の印鑑であることが証明できれば、その文書が真正に成立したと推定される、という効果があるために使われている。
印鑑は重要であることはみんな分かっているが、ここまで強力な効力が与えられていることまでは広く知られていないため、気の毒な結果に終わることもある。

01月25日(金)

裁判を起こされている人からの相談。
その人のいうことももっともで、裏付けとなる証拠も色々ある。
しかし、一つだけ、こちらの言い分と反対方向の契約書がある。
話の筋としてはこちらが正しいと思われるし、証拠の「量」でもこちらが上と思われるのだが、裁判所は、本人が印を押した契約書があると、それを非常に重くみる場合がある。
慎重を期してもっと色々と証拠を集めてもらうことにする。

01月24日(木)

午前、遺産分割の調停。
そろそろまとまりそうな状況だったが、相手側が来ず。
電話してどうしたのかと聞いたところ、「前回で決まったのでもう行かなくてよいと思っていた」とのこと。
実質延期となる。
相談3件の後、別の遺産の調停。
これも結論は出ないが、相手が急いでいるので、こちらからの最終提案をし、2月早々に次回期日をすることになる。

01月23日(水)

1、2年前から相談を受けている貸金返還請求の相談。
借主も断続的に払ってきていたので様子を見よう、という話が続いてきたが、最近払わなくなった。
借主本人はいい加減な人で、これ以上相手にしてもきりがないので、保証人に内容証明で返済請求をしよう、という話となる。
来月証人尋問がある件について、依頼者と打合せ。
早く準備をしても、本番の時に話すことを忘れてしまうと思うので、本格的な準備はまだ後。
ただ、あまり間が空いても落ち着かないだろうから、証人尋問はどんなものか、というような話を簡単にする。
裁判所で会社破産の債権者集会2件、個人の破産3件。

01月22日(火)

割賦販売法改正の議員要請活動に参加する。
国会の議員会館で、関係のありそうな委員会や、関心のある議員に個別に説明に行く。
(私はうまく説明する能力もないので、アポ取りと、一緒に座っている程度で大したことはしていない)
面白いのは、自民党=業界寄り、というイメージがあると思うが、実際非常にそうなのだが、消費者側ではっきり意見を言ってくれる人もいるということ。
余った時間で、アポのない議員の部屋に訪問し、資料をおいてくる。
大臣とか、有名人とか、渦中の人とか、色々いて面白い。
一緒に行ったメンバーによると、一番印象が悪かったのは福田総理の部屋とのこと(もちろん、総理ご本人は議員会館にはいない。留守番の秘書)。
消費者重視とか言ってながらなんだ、と思うが、変な人(我々も含む)もいっぱい来て大変なのだろう。
それなりに貴重な体験をしているとは思うので、もっときちんとした感想を書きたいのだが、考えがまとまらないのでいずれ。

01月21日(月)

例によって一宮で過払い訴訟数件。
同時に、東京簡裁で、三和ファイナンスから訴えられる側の期日。
任意整理の案件で、36回の分割払いを提案したが、一括以外受け付けないなどといって訴訟を起こしてきたもの。
取引履歴を出さないことといい、最近、話題を作ってくれる業者だ。
地元の裁判所への移送申立書を送って、とりあえず期日は延期となる。
そのうち、三和の側から和解を申し入れてくるだろう。
再生申立の依頼者に来てもらい、裁判所に提出する書類の準備をする。
この件、債務は500万以上あり、本人の収入も月10万円代なので、破産が妥当なのだが、本人が返済を希望していた。
親の持家に住んでいることもあり、5分の1に圧縮した上であれば、ということで再生方針にしていた。
しかし、書類を準備しながら改めて事情を確認すると、親ごさんの収入も年金程度とのこと。
そういう状況なら、やはり、返済よりも、家に少しでもお金を入れるべきだろう、ということで、破産に方針転換する。
書類はだいぶぶん共通なので、色々ことわり書きをつけて、そのまま裁判所に提出。

01月20日(日) 過払い金問題 その4(最高裁平成20年01月18日判決)

これまで、サラ金との取引を一旦完済し、取引が途切れた場合についての最高裁判決について書いてきた。
しかし、これまでの判決は、やや特殊(19.2.13判決)なものか、勝って当然(それ以外の判決)のものだったので、実務への影響はそれほど大きくなかった。
今回の判決は、最も問題になるパターンについての判決となる。

事案としては、サラ金との取引について、
(1)平成7年に一旦完済した(この時点で10万円の過払いとする)。
(2)その後、平成10年に、20万円借入れた。
(1)の過払いと、(2)の借入れを通算して、10万円の残金とみることができるか、という問題。
高裁は、2つの取引は、実質一つの取引として、通算計算を認めたが、最高裁はこれを破棄した。

理由としては、
(1)このような中断がある場合、前の取引と後の取引を通算することはできない。
(2)高裁がいうような通算計算ができるためには、貸付の経緯からみて、前者の取引と、後者の取引が、実質連続した取引といえることが必要、とした。

実際にも、このように、一旦完済して、3年程度取引がなかった人が、再び借入れるという事例はかなり見るので、この判決が悪い方にとられると、悪影響が出てしまう。
この判決に従うとすれば、今後は、長期間中断がある場合には、一旦完済したが、業者からはカードを返せとは言われず、継続して使おうと思えば使えたというような事情が必要とされる場合が出てくるかもしれない。

もっとも、最高裁も、前後の取引を一体と扱うことを否定したのではなく、高裁のいうような理由では足りない、より詳細な審理が必要、として差戻しただけである。
また、サラ金の営業方法は、一旦完済した人に、勧誘の電話をして、再貸付をする、というものであるから、このような実態を踏まえれば、取引を一体とみるべき場合はかなり多いと思われる。
これまでは、こういった営業実態は、証拠を出して証明しづらいものであったこともあり、あまり力を入れて言ってこなかった点であるが、今後はこういった点を強くいっていくべきと思われる。

01月18日(金)

千葉地裁まで、悪質リフォーム事件の証人尋問に出かける。
とはいっても私に担当部分はなく、他の弁護士が尋問するのを見ているだけ。
目の不自由な人の家に、換気扇や耐震補強(いずれも効果はないもの)を、十数件売りつけた、という事件。
証人で出てきた業者によると、80万円の耐震補強器具の原価は25,000円だという(私はもっと安いと思っているが)。
それが80万円にもなるのは、工事の施工費用とのこと。
これに限らず、悪徳商法で売りつけられている商品の原価は、こんなものだろう。

01月17日(木)

保佐人の選任を申立てている件について、福祉施設の方と一緒に、裁判所の調査官の面接に出かける。
後見や保佐は、一度決定が出ると、基本的にはその人の一生続くことになる。
通常、後見などの対象になるのは、お年寄りが多いので、先がそんなに長いわけではないが、今回は、本人がまだ若い(20歳)。
そうすると、保佐が認められると、この先数十年続くことになるので、それなりの覚悟が必要。
とはいっても、色々な状況から、この方については必要だろう、ということで手続をしている。
問題は、保佐人に報酬を払わなければならないが、本人には障害年金程度の収入しかないので、財源がない、という点。
調査官によると、こういう場合は、月1万円とか5000円までなら負担可能ということで、希望を聞いておき、裁判所はその範囲内で報酬を決める、とのこと。
本来なら介護保険のような制度で費用を賄うべきだが、それもないため、保佐人はボランティアに近くなってしまう。
制度があっても、活用するための財政的な裏付けがないことになる。

01月16日(水)

午前、近々証人尋問となる裁判について、本人の「陳述書」を作成。
尋問では、自分側の証人についての陳述書をあらかじめ提出しておき、あまり争いのないようなことは陳述書に譲って簡単に話す、という使い方をする。
午後、千葉の個人営業の貸金業者への過払い請求の訴訟。
最終回に300万円くらい払って一括返済しているのだが(その分が過払いとなる)、領収書を出していないのをいいことに、「その返済は受取っていない」などと主張している。
しかし、返済がないなら、延滞状態となるわけで、その後、業者からの催促があるはずだが、そういった事実もない。
それどころか、その後に、別口の貸付もしている(延滞している債務者に、別口を貸すだろうか?)。
相手側も不利は分かっているようで、自分が認めている限度の過払金は、裁判所に現金を持参して一括で払うとのこと。
依頼者とこの案を検討することに。

01月15日(火)

破産した人と、私が破産管財人の立場で打合せ。
12日にも書いたが、100万円という微妙な金額の保険がある。
個人的には残してあげたいが、管財人は、債権者のために、できる限り財産を処分させるのが建前ではある。
破産した人側の弁護士に、「何か意見があれば」とFAXを送る。
午後から自治体の法律相談。

01月14日(月)

週末「クレサラ対協新年総会」に出かける。大阪。日帰り。
貸金業法の改正で、高金利問題は解決(の方向)に向かっている。
しかし、改めて考えると、生活に困った時の福祉(生活保護)や、低利の貸付を受けられる制度がないために、困窮した人がサラ金から借入れをしていたことも事実。
高金利がなくなったとしても、それ以前の問題が解決したわけではなく、今後の活動はそちらが中心となる、という話。
クレサラ被害者の会で、「青木ヶ原」に、「自殺防止看板」を設置したら、1か月で30人近く(だったかな)が、看板をみて電話してきたとのこと。
青木ヶ原での自殺も珍しい話ではないことになる…

01月12日(土) 破産の場合、過払金を残せるか

破産したら、財産は処分して債権者に少しでも返す、というのが原則だが、債務者の生活再建のため、ある程度の財産は残してもよいことになっている(自由財産)。
簡単にいうと、
(1)現金は99万円まで
(2)それ以外の財産は20万円まで
(3)全部合計しても99万円が上限 とされている。
それでは、弁護士に委任してから、過払金を50万円回収したが、債務も500万円残るため、破産となった、という場合はどうなるか。
回収済みの過払金を「現金」とみれば、99万円以下なので残してよいことになる。
しかし、裁判所(千葉地裁)の公式見解としては、「申立直前に現金化した財産は、現金化前の種類の財産」というもの。
この場合、現金化(回収)前の過払金は、「不当利得返還請求権」という債権なので、上記の(2)にあたり、20万円を超えるので残せない、ということになってしまう。
ただ、債務者からの申し入れがあれば、裁判所の裁量で、(2)についても99万円までは残せることも多いと思われる(借入れの際に悪いことでもしていたら別)。
もっとも、裁判官とか破産管財人に、(私から見ると)変わった方にあたってしまうと、残せない、と言われることもあるようで、若干のリスクはある。

01月11日(金)

午前、千葉地裁で集団解雇事件の和解期日。
ところが、裁判所は、肝心の和解案を言わない。
裁判所の考えでは、和解は条件AとBの組み合わせを考えており、当事者が、Aに納得するかどうかで、Bの内容も変わってくる、ということで、まずは、Aに納得するかどうかを確認したい模様。
しかし、こちらとしては、トータルでどうかが重要なわけで、Aだけを取り上げてどうかと言われても、何ともいいようがない、という状況。
その後、千葉の弁護士と別の打合せがあるので、そこに寄って事務所に戻る。

01月10日(木)

千葉地裁に破産の期日のため出かける。
親族の会社の保証をしており、負債は千万単位だが、サラ金関係は全部過払いだった、という話。
過払金を回収しないで破産にしてしまうと、破産管財人が回収をして、債権者への配当にあてられてしまうことになる。
それはそれでやむを得ないのだが、その一方で、破産前に回収しておくと、ある程度は、「自由財産」として、本人の手元に残せることがある。
このため、過払金は、できるだけ回収してから、破産にすることになる。

01月09日(水)

本日も打合せと相談のみ。
土地の賃料を払わない借主に対して、自分で訴訟を起こして、地代を払え、という判決をとったが、それでも払わないので強制執行をしたいとのこと。
強制執行の対象としては、借主(会社)の、取引先への売掛金を考えているとのこと。
売掛金の執行で難しいのは、「売掛金の内容」(○日締め○日払い、商品○○、など)を、こちら側ではっきりしないといけないという点。
普通、会社の外部の人には、そう言ったことは分からない。
今回の方は、自分で、取引先に電話したら、色々話してくれたとのことなので、その情報を使って手続を進めることにする。
遠くにいる同期の弁護士から年賀状が来ていた。
このホームページを楽しく見ているとのこと。
何か、面白いことを書かないと、というプレッシャーも感じるが、もうしばらくこのまま続けることにする。

01月08日(火)

昨日に引き続き、打合せと相談のみ。
土地を売る交渉をしているのだが、代金について折り合いがつかず、平行線のまま、という件。
相手は、土地の一部については、早急に売買がまとまらないと困る、という状況とのこと。
こちらの依頼者の利益が第一ではあるが、相手の状況も分からなくはないので、「早くまとめたい土地については、先に売却をする。残りについては継続して協議」という提案をする。
破産の打合せ。
費用を分割払いしてもらっているが、並行して、書類の作成も進めている。
今日は、裁判所に事情を説明する部分を作り、次回完成、裁判所に提出とする。

01月07日(月)

年明け早々は、裁判所に行く予定も入っていないので、比較的ひまとなる。
今日は、昨年から予定が入っていた打合せ2件だけ。
1件は、取引代金の支払を求める訴訟についてのもの。
相手側も払うとは言っているのだが、こちらの要求との差が大きく、話がまとまらない状況だった。
しかし、訴訟も終盤となり、裁判所が、こちらの要求よりも低いが、ある程度納得はいく程度の金額の和解を提示してきた。
こちらは、金額は受入れられなくはないものの、金額が下がった上で分割払いなどとなると困る、という状況だった。
この点について、相手側が、一括で払うと言ってきたので、こちらの依頼者も、それなら和解してもよい、という方向となった。
この件に限らず、一括で払う、というのは、交渉の材料となることが多い。