業務日誌 2007年09月
09月28日(金)
次々販売訴訟の期日。
最後まで争っていた信販会社も、結果的にクーリングオフに応じて、これ以上の支払いはなしにする条件での和解成立。
これで、全て解決となった。私が引受けた時点では、次々販売の契約が20件以上あり、払えなければ家が競売、という状況だったが、何とか助かったことになる。
午後、証人尋問。
契約書に「相手側は、Aという土地をもらえるが、その代わり、Bという債務を負担する」というような条項がある。
こちらは、相手側に、「契約書に書いてあるとおり、Bの債務を負担してほしい」という請求をしている。
こちらからの質問「あなたは、その契約は完全に無効だと思っているのですか」
相手側「形だけのものだと思っていました」
私「しかし、Aの土地をもらう部分については、実行に移して、土地の名義も変えていますよね」
相「契約書には言われたとおりサインしただけで、そこまで見ていませんでした。これまでの経緯からも、Bは、自分が負担する筋合いのものではないと思っていました」
…というようなやりとり。
これを読んでいる方は、このやりとりをどう思われるだろうか?
09月27日(木)
午前、離婚の調停。
1回目の調停期日。私は妻側だが、夫が、離婚はしないの一点ばり。
こういう状況だと、それ以上やっても無駄なことが多いので、もう一回だけ調停を続けてもらい、だめなら裁判に移行することにする。
裁判の費用が若干増えてしまうことが問題だが(それでも法律扶助を使っているので、そう高いわけでもない)、早く決着をつけて、母子手当でももらったほうが得と思われる。
夕方、東京に出かけて、11日にも書いた街宣に参加。今度は新宿。
大物として、参議院議員の姫井由美子氏が参加。
色々話題になっている方だが、実は司法書士なんだそうです。
09月26日(水)
昨日、色々忙しいと書いたが、がんばって何とかなりそうな雰囲気に。
来月にある、集団解雇事件の証人尋問の打ち合わせに参加。
この件は、かなり膨大な証拠を提出しており、実をいうと、裁判を起こしたこちら側も、把握しきれなくなりつつある。
しかし、裁判所が、「お互いの主張の対照表」というのを作ってくれ、かなり要領よく整理されている。また、裁判所が関心を持っているのがどのへんか、も分かるので、それに書いてあることを中心に尋問していくことにする。
09月25日(火)
先週に引き続いて、平日が少ないのであまり時間がない(連休中も仕事をしていたのだが追いつかず)。
あと2日で、3日分の仕事をしないと色々間に合わない。
しかし、今週は、毎日、夕方から行事のため外出なので、4時くらいまでしか仕事ができない。
夜の残業がだめなら、早朝出勤すれば何とかなるか…と考えつつ、過労死事件の打ち合わせに参加。
この件は、現時点では、労基署の労災認定の段階で、弁護士よりも詳しいボランティア団体がメインでやっている。
過労死の労災認定は、残業時間が月どの程度あるか、という形式的な条件が一つの要素となる。
この件で亡くなった方も、早朝出勤を毎日しているが、労基署は、早朝出勤分は、残業時間にはカウントしない扱いが多いとのこと。
労働基準法上は、所定労働時間を超えている以上、早朝出勤についても残業代を請求できるのだが、過労死との関係では、早朝に来ても必ずしも働いているとは限らない、と見ているようだ。
もっとも、これも、法律的な根拠があるわけではないので、万が一、労基署が、これを理由に労災認定をしない場合には、裁判で争われることになる。
09月21日(金)
久しぶりに一日事務所にいられる。
相談3件、来週の証人尋問の打ち合わせ1件。
こちら側の尋問はそつなくできそうだが、尋問の練習をしているうちに、相手につっこめそうな事項も少し思いついた。
そのためには、尋問に使う証拠書類を急いで作って、週明けには提出しておく必要がある。
相手が気づいていないような有利な証拠を最後まで隠しておいて、尋問のときにいきなり見せて追及する、という方法もあるが、裁判の終盤に出しても、消化不良で終わってしまうことが多く、あまり有効ではない。
契約締結交渉がまとまったので、契約書を作って関係者に送る。
夕方、東京で会議。なんだかんだでそれほど暇はなかった。
09月20日(木)
朝、債務整理の相談1件。
本人は、「事業をやっていたときの銀行の借り入れがあるが、これは払う。消費者金融だけ整理したい」とのこと。
たしかに、銀行からの借り入れには、担保や保証人がついていることもあるので、払える範囲なら、それも考えられないこともない。
ただ、よく話を聞くと、銀行といっても利率は18%で、保証人もついていない。
これは、銀行のサラ金とでもいうべきものなので、消費者金融と一緒に整理するのが妥当。
川崎まで出かけて証人尋問。
夕方、千葉に移動し、千葉の先物取引研究会。
今回は、東京の荒井哲朗弁護士という有名な方に講義をしていただく。
この人は私より年季も若いが、能力も実績もはるかにすごい。(同業者も含めて、人の名前は勝手に書かない方針だが、ほめているので今回は例外。ちなみに、名前で検索すると、ホームページも出てきます)。
講義はだいぶくだけた感じだったが、色々と不十分だった点を気づかせてくれる内容だった。
資料ももらったので後で参考にしよう。
09月19日(水)
朝、八日市場で裁判1件。
午後、大原まで移動し、依頼者と一緒に、事件の関係者に話を聞きに行く。
夕方、東京で会議。
一日6時間移動していることに。
債権の支払い請求をしていた相手側から、返事の手紙が来ていた。
こちらからは、「この条件で話し合いがつかなければ、裁判にします」という通知を出していたが、こちらの案には不満の模様。
ところで、弁護士に交渉を依頼した場合、どこまで話し合いで進めて、どこから訴訟になるのか、という問題がある。
「すぐ裁判にしてください」という戦闘的な人もいるし、「裁判にはしたくない」という人もいる。
ただ、話し合いで終わるのは、相手が、ある程度こちらに歩み寄ってくれる場合(もちろんこういう場合も多い)で、そうでなければ、基本的には裁判にする。
払わない、と言っている相手に払わせるため、圧力をかけようとすると、場合によっては脅しに近くなってしまい、トラブルになってしまう。
このため、話し合いの段階では、私は、できる限り穏当な表現で、相手側に歩み寄りをお願いすることにしている。
その代わり、一度、「これでだめなら訴訟にする」と言った以上は、必ず訴訟にする。
交渉を引き受ける際には、こういった点を理解していただいた上で、ということになる。
09月18日(火)
取引の契約書を作る打ち合わせの後、「原爆症認定集団訴訟」の証人尋問のため、千葉に出かける。
患者側に立って診察をしてきた医師1名に、3時間の証人尋問。
この訴訟については、私は手伝い程度。偉そうなことも書けないが、全国で国の敗訴が続いている。政府も、(参議院選挙で自民党が微妙な情勢になってから)、本格的な救済策を検討し始めた、という状況。
夜、事務所に戻ると、依頼者から委任状がいくつか届いていた。保留となっていた作業を進めて、いくつか、訴状を完成させる。
今週、来週と3連休なので、平日の日数が少なく、予定のやりくりがなかなか大変。
09月16日(日) 債務整理と信用情報
破産、任意整理その他の債務整理をすると、事故情報として、信用情報機関に登録されることになる。
その仕組みはかなり複雑であり、きちんと説明することはなかなか難しい。
債務整理をするにあたって最低限知っておくべき点は、以下のようになると思われる。
(1)情報機関は、業態別に分かれており、大まかに言って、以下の3つがある。
銀行系(全国銀行個人信用情報センター)
サラ金系(全国信用情報センター連合会)
クレジット系(シー・アイ・シー)
(2)それぞれの機関は、「借入額」のような正常情報(ホワイト情報)と、「延滞」のような「ブラック情報」を管理している。
そして、「ブラック情報」は、それぞれの機関で情報を共有している(ホワイト情報は、以前は共有されていなかったが、一部、共有する方向に向かっている)。
このため、サラ金について債務整理をした場合、その後、銀行やクレジットのローンを新規に組む場合に影響が出る可能性がある。
(すでに組んでいるローンについては、正常に支払いを続けていれば、実際上問題ないことがほとんど)。
また、与信審査以外の目的外利用は禁止されており、金融会社からの借り入れ以外(就職など)に影響が出ることはない(そもそも、情報機関に加盟している金融会社以外は、情報をみることはできない)。
(3)事故情報は5年から7年、記録されると言われている。
したがって、この程度の期間は、ローンなどは組めないと思った方がよい。
(4)事故情報は、個人単位で管理されており、家族には影響はない。
少なくともサラ金系に関しては、主債務者が債務整理をし、保証人に請求が行くようになったとしても、保証人の事故情報にはならない(07年09月13日の記事参照)。
(5)(これは最近からの扱いのようだが)残債務があると思って債務整理をしたら、実は過払いであった、という場合、「完済」扱いとなり、事故情報にはならない。
すでに完済している債務について、過払い請求した場合も同様。
ところで、冒頭で、「きちんと説明することは難しい」と述べた理由は、私自身の知識不足もあるが、「実際のところ、信用情報が、情報機関がいうようにきちんと管理されているか不明」ということも原因である。
たとえば、情報が個人単位で管理されている、という点については、以下のような経験をしたことがある。
刑事事件で、他人(実在のA氏)の身分証明書を偽造して、サラ金から借り入れをした(サラ金に対する詐欺)という事件があり、その事件で、「どのような審査をして貸付をしたか」を説明した被害者(サラ金)の担当者の調書があった。
それによると、「A氏には延滞はなかったが、同居の家族には延滞情報があったので、貸付額を低めにおさえた」などということであった。
とすると、(すべてではないと思われるが)、業者によっては、家族の借り入れ状況も含めて審査に使っているかもしれない。
また、「サラ金からの借入件数が増えたら、ヤミ金から勧誘の電話が来るようになった」という話を聞いたこともある。これは、サラ金などの社員が、情報機関から得た情報(そのサラ金が自社で保有している情報かもしれないが)を持ち出して、ヤミ金業者に売っていたためではないかと思われる。
こういった問題があるため、「絶対に大丈夫ですか」と言われても、「規則上はこうなっていますが…」という歯切れの悪い回答しかできないことになる。
しかし、金融会社からまた借り入れをしようと思わなければ、全く心配する必要はないことではある。
債務整理は、借り入れやローンからは一切縁を切り、必要な物は貯金して買うという、生活習慣の切り替えがなければ、単なるその場しのぎにしかならない。
ローンに影響が出ることを心配して、債務の整理をしないのは、本末転倒といえる。
09月14日(金)
午前、30数万円の過払い訴訟(三和ファイナンス)のため、東京簡裁まで出かける。
依頼者の住所が東京のため、東京が管轄となる。
なぜ、そんな遠くのものを引受けているのかというと、依頼者の実家がこちら方面であるため。
事務所に戻り、何件か相談。昨日に引き続いて債務整理関係。
夕方、不動産関係の訴訟の打合せ。
紹介者の司法書士の先生にも一緒に来ていただく。
こういった専門家に依頼者を紹介してもらうこともあるが、あらかじめ話が整理されているのでこちらとしてもやりやすいことが多い。
問題は、紹介してもらうばかりで、こちらからの「お返し」がほどんどできないこと。
物事が正常に動いている間は、司法書士とか、税理士などのお世話になることが多いと思うが、問題が起きて、こういった職種の方では扱うのが難しくなると、弁護士の仕事となる、という流れになるので、どうしても一方通行になってしまう。
09月13日(木)
なぜかここ数日債務整理の相談が多い。今日4件、明日も何件か。
整理するにあたり、金融機関の事故情報に登録されることを説明するのだが、だいたいは、「もう借りるつもりもないので、構わない」という話になる。
今日の方は、自分は構わないが、子が保証人になっており、そちらが事故情報になると困る、とのことであった。
しかし、弁護士から見ると、「これから借金(やローン)ができなくなる」というデメリットを回避するため、「現に借り入れがある」という事態を放置するのは本末転倒と見える(事業をやっていて、銀行取引が不可欠、というような場合は例外だが)。
他人に迷惑をかけたくないという気持ちも分かるが、客観的には、身内に借金漬けの人物がいる方がよほど迷惑であり、迷惑をかけたくないと思うなら、早く債務を整理して、貯金でもしていくべきと思われる。
それはそれとして、一応調べてみたところ(サラ金が加入している情報機関は、「全情連」というので、検索すると出てくる)、保証人になっている事実は信用情報には載らないとあった。
もっとも、信用情報の仕組みは、複雑であるし、しょせん、業界が自分の利益のために運営している制度だから、「事故情報には載らない」とは保証できないことになるし、「事故情報にはなるかもしれないが、そんなことは気にせず、債務とは縁を切るように」と話すことになる。
09月12日(水)
破産の期日1件。
今回の件は、借金の原因が「遊び」としかいえないものだったのだが、10年以上前に遊びに使い(その当時はそれなりに収入もあったので返済できると思っていた)、あとはひたすら返済してきた、という話。
法律の条文の上では、「浪費」ということにはなるのだが、このような事情を考慮してください、という話をする。
午後、打ち合わせ2件の後、千葉に出かけて、千葉での「街宣」に参加。
こちらは、普通に路上で署名を呼びかける、というものだが、昨日の街宣車を体験してしまうと、何もないのは寂しいと思ってしまう。
09月11日(火)
東京の新橋で、割賦販売法改正の「街宣」に参加。
3分くらいだったが、↓に乗って演説。
09月10日(月)
例によって簡裁に過払い訴訟に出かける。
今日は貸金業者側からの訴訟が多いようだ。30件くらいある。裁判所側はこれを1人でやっているのだから大変だ。
午後から、千葉で他の弁護士と共同でやっている事件の証人尋問。
私の担当部分はすでに終わっているので今日は見ているだけ。
しかし、証人の1人が、急に熱を出してこれなくなり、終了できず。
裁判をやっているストレスで、体重が何キロか減った、などという話もたまに聞くので、尋問のプレッシャーで寝込むこともあるかもしれない。
このため、予定より早く終わったので、会社関係の仕事(株主総会で作る書類の準備)をする。
最近、会社法が全面的に変わったので、いちいち六法で該当条文を見ながらやるので時間がかかる。
しかも、新しくできた制度だと、前例や文献があまりないので、判断に迷うこともある。
一度覚えた(つもり)の法律が、全面的に変わると(そういうことはめったにないのだが)、前の知識がある分、かえって難しくなってしまう。
09月09日(日) すでに完済した債務で差押えを受けた場合の対応
公正証書で、100万円の支払いを約束し、完済したが、領収書をきちんともらっていなかった。
何年か経って、債権者が、この公正証書を使って、財産の差押えをしてきた、という場合、どうしたらよいか。
なぜこういう事態がおきるのかというと、強制執行では、債権者が、「債務が約束どおりに払われていないこと」を証明する必要はなく、形式上、強制執行ができる効力のある公正証書などを提出すればよいとされている。
債務を支払ったのであれば、債務者側のほうが、領収書などの提出で容易に証明できる(これに対して、債権者が、「支払いを受けていない」ことを証明することは難しい)ためであり、これ自体はやむを得ない面がある。
とはいっても、債務者が、裁判所に領収書を持って行けば、差押えを止めてもらえるのかというと、そう簡単ではない。
債務者側が、「請求異議」という訴訟を起こす必要がある。
この訴訟で、債務を完済している、ということが証明できれば、裁判所は、差押えの取消を命じることになる。
ただ、裁判に時間がかかっていると、その間に、差押え→競売という手続が進んで、裁判に勝ったころには財産が売り払われていた、という事態も生じる。
このような場合には、訴訟と同時に、「執行停止」という手続をとる。
これには、ある程度の担保を積む必要があるが、これが認められれば、裁判をやっている間、手続を止められる。
冒頭の例では、領収書がなければ、完済したことの証明はなかなか難しい。
ただ、完済から何年か経ってからの請求、ということだと、債権者側にも「なぜ、何年も執行をしないで放っておいたのか」という疑問も出てくるし、返済を銀行への振り込みでしていれば、裁判所を通して、口座の調査をすることで、完済を証明することは不可能ではないと思われる。
上記のように、公正証書などを作ってしまえば、差押えをするのは比較的簡単なのだが、これを悪用して、冒頭の例のような強制執行をするのは違法行為となり、債権者側が損害賠償をすることになるので悪用してはいけない。
09月07日(金)
茂原法律相談センターの担当日。
親が亡くなり、債務が多いので相続放棄をしたいが、一つだけ残したい財産があるので、どうしたらよいか、という話。
債務だけ放棄して、財産だけ残すというのはさすがに無理な話だが、関係者全員が放棄をすれば、相続人がいなくなる。
残った財産は、遺族が、裁判所に「相続財産管理人の選任」を申し立てれば、相続財産管理人が管理することになる。
その上で、管理人に、相応のお金を払って、買い取ることは可能と思われる。
夕方、事務所に戻り、不動産関係の相談。
戦後まもなくころ土地の売買をし、その土地を耕作してきたが、登記をまだしていなかった、というもの。
契約書をみると、当時の所有者ではなく、親族が代わりに署名したような形となっている。
こういった契約書はたまにみかける。当時は、所有者が若かったりすると、親族の有力者が代わりに契約する、という習慣でもあったのかもしれない。
しかし、現在になって、当時の状況を立証するのは困難なので、契約による請求というよりは、時効取得を主張することが多いと思われる。
09月06日(木)
土地の貸主からの相談。
土地を貸して、借主が倉庫を建てているのだが、散らかりようがひどく、近所からも苦情が来るので、1年後の契約期間満了を待って、契約を解除したい、という話。
しかし、単に契約期間が満了しただけだと、借地借家法で自動更新となり、簡単に解除できないし、借主に、建物買取請求権(契約を解除するなら、地主が建物を買い取ってくれ、という権利)が発生する場合がある。
それよりも、借主が、土地をきれいに使うべき最低限の義務に違反しているということで、改善を申し入れ、改善がないなら即時解除する、という方針で行くべきでは、という話をする。
実際のところ、裁判所がこのような解除を認めるかは微妙だが、仮にだめでも、契約期間満了の際に、「実質は借主の違反による解除だから、建物買取請求権はない」という際の材料となると思われる。
借主が賃料を払わず、行方不明になってしまったら、貸主は、自分で費用を負担して建物を撤去しなければならないなど、土地を貸して、建物を建てさせるのは非常にリスクが高い。
私が事前に相談されたら、駐車場くらいならよいが、土地など貸すな、とアドバイスする。
他、法廷1件、相談2件。
これだけで予定がいっぱいとなってしまい、他の仕事がなかなか進まない。
09月05日(水)
破産の手続3件。
1件、色々問題のあるものがあったが、こちらでフォローする文書を作り、「寛大な処分」としていただく。
強制執行に関する相談。
公正証書を作った債務について、完済したのだが、だいぶ経ってからいきなり強制執行をしてきて、給料を差し押さえられている、という話。
このような場合は、こちらから「請求異議」という裁判を起こさなければならない。
問題点として、だいぶ前のことなので、返済したといっても、領収書がない部分もある、とのこと。
最近の年金問題ではないが、領収書がある期間もそれなりにあり、相手側からも、滞納があると言われたことはなかった、とのことなので、状況証拠で返済の立証は可能ではないか、という話をする。
09月04日(火)
午前中、建築紛争の現場に出かけて写真撮影をする。
まだ裁判が始まったばかりなので、今行く必要もないかもしれないが(後で煮詰まったときに、もう一度行くことになり効率が悪い)、一般的には、できるだけ自分で見たほうがよいのと、平面図だけではなく、「高さがおかしい」というような話だと、図面を見ただけではぴんとこない、ということもある。
夕方、千葉まで出かける。週末に引き続いて、同じ内容で、別の場所で「講義」する。今度は弁護士会にも案内を出し、弁護士も参加。
後で、余った資料は500円で売ろう、という話になったが、売れるかどうか?
09月03日(月)
週末の間に、司法書士会(内?の任意の団体)で過払い訴訟の「講義」をやった。
参加者は、結構寝ていた気が…
私の話がうまくなかったのもあるかもしれないが、もっと入門編を期待されていたようだ。
しかし、入門編は、本を読めば分かることでもあるし、あまり気にしないことにする。
もう5年くらい前になるが、私が初めて商工ローン問題の研究会に参加したとき(当時の最先端の話をしていた)も、ほとんど話の意味が分からなかったのだから偉そうなことは言えない。
今日は交通事故の証人尋問。
後ろから追突された、という話なのだが、追突された側は、後ろの車の動きが見えているわけではないから、具体的な追及が難しい。
もっとも、過失の割合は、前の車が相当無理でもしない限りは、一般的には後ろの車のほうが高いとされることが多い。
09月02日(日) 交通事故・保険会社との交渉が長引く場合
A氏は、交通事故でむちうちとなり、1年近く治療が長引いた。
本人としては、その後も痛みが続いているので、治療が終わったという認識ではなく、保険会社との損害賠償問題の交渉も長引いて、1年以上経ってしまった。
事故であまり働けないため、蓄えもなくなってきてしまったが、保険会社は、保険会社の案に同意して、示談としなければ、保険金は出さないと言っている。
こういった場合、A氏としたら、どうしたらよかったか。
まず、むちうちで1年近く治療が続いている場合、どこかで「症状固定」(これ以上治療してもよくならない状態)とされて、それ以上、治療に関する保険金は出ない可能性が高い。(痛みが残る点は、後遺症として別途保険金は出る)。
したがって、A氏としては、気の毒な言い方にはなるが、いつまでも、「事故の被害者」という認識でいるのではなく、早めに、治療を打ち切って仕事に復帰する算段をすべきであったといえる。
また、保険会社との交渉が長引き、保険金がなかなか出ない場合は、まずは、自賠責保険の「直接請求」をすべきであったと思われる。
これは、被害者が所定の用紙で請求をすれば、保険会社と示談をしなくても、自賠責保険の基準に従って計算した保険金が支払われる、という制度。
自賠責保険の基準なので、場合によってはかなり低い金額となるが、それで不足する部分は、訴訟を起こすなどして任意保険から払ってもらえばよい。
こういった手続をとっていれば、保険会社と長々と交渉する必要はなく、最低限の保険金は、早く入ってきたはず。
それでは、A氏が今からその手続をとれるかというと、無理な場合がある。
この「直接請求」ができるのは、事故から2年間(後遺症については、治療終了日から2年)となっているので、A氏の場合、その期間が過ぎている。
したがって、A氏は、直接請求はできず、保険会社のいうとおりに示談するか(この場合、金額は安くなる)、訴訟を起こして全面的に争うか(この場合、ある程度時間がかかる)、の選択を迫られることになる。
解決までの心理的な負担も、回復や仕事の復帰を遅らせる要因となることも考えると、これ以上よくならない段階になったら、早めに治療は打ち切り、直接請求の手続をすべきであったことになる。
なお、「直接請求の期間は2年」と書いたが、この期間は、自賠責保険に連絡をすれば、延長してもらうことができるので、治療が長引いているような人は、延長の手続をとる必要がある。
また、その他の要因で、請求の期間が延長される場合もあるので、2年過ぎたら絶対だめ、とあきらめる必要はない。