神定大法律事務所のホームページ

業務日誌 07年07月

07月31日(火) 

午前は来客なし。月末入金の過払い金があるので、(こちらの経費を精算の上)、依頼者に返す作業をする。
午後相談2件。
色々なトラブルでお金や住居を失い、本人も病気で生活困難になっている、という話。
しかし、相手を訴えてお金を取り戻すことができる種類のトラブルではなく、生活保護の申請をして最低限の生活を確保したほうがよいと思われる状況。
本人も、私のところに来る前に、M市役所で相談はしていたのだが、「出ない」と言われた、とのこと。
私から生活保護を勧めても、なかなか納得してもらえない。
おそらく、M市役所で色々言われて、これ以上行きたくないという気持ちもあるのだと思われる。気の毒ではあるのだが、アドバイスを素直に聞いてもらえないのも困る。
「自己責任」と言って放っておくこともできない状況なので、無理にでも生かせるべきなおかもしれない。しかし、素直に聞いてもらえない人の場合、短時間の相談でそこまでの信頼関係は作れないこともある。
生活保護の条件という点で若干疑義もあり、市役所の対応もやむを得ない面もあるが、もう少し親身に話を聞いてあげていれば、私の話にも納得してもらえたと思うのだが。

07月30日(月) 

例によって月曜は簡裁で過払い訴訟。
今週は、法廷はこれだけ。
しばらくやっていた刑事事件について、処分結果が出たので、弁護士会に報告書を書く。
本人にお金がなく、弁護士会から援助してもらう制度を使っていたので、報告書を書く必要がある。
弁護士会から出ていると言っても、弁護士会の財源は自分たち弁護士が払っている弁護士会費なので、別に得をしているわけではないし、事務所の経費を払うと、いくらも手元には残らない。
ワイドショーで、凶悪事件の刑事弁護をやっている弁護士が非難されていたりするが、背景の一つとして、その弁護士が悪いやつの弁護をして儲けている、と思われていることがあるのではないだろうか(もちろん、被害者への同情意識も大きいのだろうし、これが本質ではないとは思いますが)。
しかし実際には、そんな悪いことをする犯罪者が弁護士費用を自分で払えるわけもなく、上記のような制度でやっていることが多いのでは、と思われる。
前からの打ち合わせ予定のほか、当日の面談予約が何件か入る。
1件は、証拠として使いたいので、十数年前の給与明細を探してください、と言っていたのが見つかった、というもの。几帳面な人は裁判に強いかもしれない。

07月29日(日) 遺産分割前の不動産の共有状態とは

家が1軒あり、その所有者(親)が亡くなって、子供3人が相続したとする。
遺産分割でもめており、この遺産をどのように処分するのか決まらないでいる間、この家の権利関係はどのようになっているのだろうか。

(1)遺産の共有
まず、所有者が死亡した時点で、(遺言などがなければ)、相続人が法定相続分で相続する。
上記の例では、法定相続分の3分の1ずつの共有となる。
この共有は、基本的には、通常の共有(3人でお金を出し合って買った場合の共有)と同じ、ということになる。
したがって、誰か1人で勝手に売ることはできない。
売るためには、全員が同意して契約書にサインするか、一旦分割協議をして誰かの所有にしてから、ということになる。
ただし、3分の1の「持分」だけであれば、誰か1人が単独でも売ることはできる。
「3分の1の権利」だけを買う人など通常はいないと思われるが、そのような事態が発生した場合は、買い主と残り2名の共有となる。

(2)遺産の運用
遺産分割がまとまるまでの間、誰かに貸しに出して賃料をもらいたい、という場合はどうなるか。
これは、「遺産の管理」に関する事項、と言って、共有者の過半数で決められることになる。
したがって、上記の例では、2名が貸しに出すことに賛成すれば、貸しに出して、賃料をもらうことができる。
貸しに出した賃料はどのように分けるかというと、基本的には、3名で平等に分けることになる。

(3)相続人による使用
上記の家に、兄弟の誰か1名が住んでいたとする。
親が生きている間は、親の許諾を得て、その兄弟が住んでいたことになるので、ほかの兄弟は、出て行け、などと言うことはできない。
しかし、親が亡くなった後は、ほかの兄弟にも権利が発生することになるので、「出て行け」といわれたり、「家賃を払え」と言われる場合も出てくる。
このようなことを言われたら、家に住んでいる側としたらどうすればよいか。
親との生前の関係によっては、「親から、使用貸借権の設定を受けた」と主張して、退去や家賃の要求に対抗することが考えられる。
使用貸借権とは、「賃貸借」の無償版、というようなもので、お金を払っている「賃貸借」よりも立場は弱いが、事実関係によっては、遺産分割成立までは、権利を主張でき、保護される可能性がある。

ほかにも色々問題点は思いつくが、現実には、遺産がよほど大きなものでもなければ、こういった枝葉の問題にこだわって長引かせるよりも、「どんぶり勘定」でも早く終わらせたほうがよいことも多いと思われる。
※思いついて書いてみたらかなり難しい話だった。
後で調べてきちんとしたものにします(現時点では間違ったことを書いているかもしれません)

07月27日(金) 

今日は外に出る用事はなく、打合せ3件。
1件は債務整理の関係だが、不動産担保で多額の借入れをしている上に、それ以外の債務も額が大きく、破産しかないのではというものだった。
しかし、取引年数が長かったため、取引履歴の提出を受けて計算すると、大部分過払いとなっていた。
この過払いを回収して、不動産担保の返済にまわせば何とか乗り切れるかもしれない。
依頼者への裁判期日の結果報告が、いくつかたまっていたので片付ける。
裁判の期日が終わると、(1)依頼者への報告(文書ですることが多い)、(2)日程管理ソフトへの次回期日の入力、(3)次回期日までに準備することの締切りを、次回期日から逆算して、日程管理ソフトに入力、が必要。
別に難しいことではないが、外出や打合せで時間がないと、これもなかなか大変なこともある。いつも、一通り仕事が終わった夜にやっている。

07月26日(木) 

以前の依頼者がやってくる。
その人(A氏)が、別の依頼者(B氏)を紹介してきたことがあったのだが、この2人の間でトラブルが発生したので、B氏との交渉をしてほしいとのこと。
しかし、B氏からみれば、以前の件で、自分の内情を色々知っている弁護士が、相手側についてきたら、おかしいのでは、ということになる。
このような場合はどちらにもつくことはできないので、今回は別の弁護士を探してもらうことになる。
相続財産管理人をやっている件について、管理している土地を買いたいという人から連絡があった。
誰も買い手がつかない土地は、時期がくれば国もものになるのだが、国も、境界が画定していない土地は引き取らないなどとわがままなことをいうので(法律にはそんなことは書いていない)、結局、全部売却してお金に換えないと、手続が終わらないことが多い。
このため、値段にはこだわらずどんどん売っていくことになるが、田舎の農地や山林だと買い手がつかず、何年も事件が終わらないこともある。

07月25日(水) 

ちょっと複雑な相続に関する相談。
父の遺産を、兄と弟で相続し(母はすでに死亡)、遺産分割の協議をしている。その弟からの相談。
遺産の土地は、大部分、兄が経営している会社が銀行から借り入れる際の担保となっている。
その会社の経営も思わしくないので、兄としては、土地は売却して銀行に返済して、債務を圧縮したいと考えている模様。
しかし、弟がもらう遺産についての条件が折り合わず、数年間平行線のままでいる。
最近、兄が、不動産を売ることを前提に、色々動いているという噂が入った。
遺産分割が終わっていないのに勝手に土地を売ることができるのか、という相談。
確かに、遺産分割が終わるまでに、一部の相続人だけで、土地を売ることはできない(ただ、今回で言えば、兄の相続分2分の1だけなら売れるのだが、2分の1だけの権利など普通は買わない)。
ただ、すでに銀行の担保に入っているとすると、その銀行が担保権を実行して、土地を競売にした場合は、遺産分割前でも売られてしまう。
銀行は、父の生前に土地全体を担保に取っているから、それが、相続になろうが何だろうが銀行には無関係なので、このような事態が考えられる。
まあ、銀行にとっても競売は最終手段なので、そこまでやってくるか、という疑問もあるが、もう少し色々調べてみることに。
夕方、千葉まで弁護士会の委員会に出かける。何年か前から、色々忙しく、委員会はほとんどさぼっているが、今回は弁護士会のイベントの打ち合わせなので出席。

07月24日(火) 

こちらが申立側の破産事件で、千葉の管財人弁護士の事務所まで、依頼者と一緒に行く。
管財人がつく場合、通常は、1回は管財人のところに行って、事情を聞かれることになる。とはいっても、管財人という専門の職業があるわけではなく、弁護士が裁判所から言われて一時的にやっている、というもの。
「管財人が選任される」というと、家まで誰かがきて、一切合切持って行かれるようなものをイメージする人もいるが、別に心配する必要はない。
ついでに千葉で裁判の期日に出席、事務所に戻ろうとするが、集団事件の弁護団会議があるとのことなので、そちらに行くことに。
それ以外はパソコンの調子が悪く仕事にならず。今時、パソコンが壊れた、は、いいわけにならないと思っており、データは厳重にバックアップしているが、機械そのものがおかしくなると復旧に時間がかかる。夜遅く事務所に戻って作業して復旧。

07月23日(月) 

今週から(一宮の)地方裁判所が夏期休廷期間に入り、地裁の法廷がないのでいくらかひまになる。
しかし、簡易裁判所は動いており、過払い訴訟の期日は相変わらずある。今日は過払い以外の件と併せて5件ほど。
法テラスから紹介されてきた、法律扶助での離婚の件の方が打ち合わせに来る。
収入が一定以下だと、裁判の費用は法テラスに立て替えてもらい、月1万〜5000円での返済で済む場合がある。
別居して実家の世話にもならず、母子家庭になっている場合は、この条件をみたす場合が多いので、母子家庭の離婚事件では利用率は高い。
午後から債務整理の相談があり、これも、法律扶助の対象かなという内容だった。
私は、年金暮らし・母子家庭・病気の場合で、援助をしてくれる人もいない場合は、法律扶助を勧めることにしている。
離婚とか、債務の問題とか、最低限の生活に関わるような問題は、費用も何とかなる仕組みになっているので、あまり悩まずに、近くの弁護士に相談されたらどうかと思う。

07月22日(日) 過払い金問題 その3(最高裁平成19年07月19日判決)

過払い金問題1、2で書いてきた、「過払い金が、別口の債権や、過払い発生後の貸付に充当されるか」という問題についての新しい判決。
たとえば、10万円を借りて、毎月1万円ずつ返済し(大手サラ金のようなリボルビングではなく、定額の返済)、残高が5万円くらいになったとする。
その時点で、「また借りませんか」と勧誘され、5万円を貸りて残高が再び10万円に戻る。
その10万円を返済していって、残高が5万円になったらまた追加で貸す…という取引を繰り返していた事例(エイワのような感じか)。
その取引を、07月22日に、一旦完済したが、その3か月後(10月22日)に再び10万円を借りたとする。
07月22日の時点で、過払い10万円となっていたら、10月22日に借りた10万円に充当して、差し引きゼロにできるか、という論点についての判決。
最高裁は、10月22日の貸付は、前の貸付と時期的に近接しており、同じ条件での取引なので、連続した取引であるから、通算計算ができる、とした。
もう一つの理由として、このような取引で通算を認めないと、07月22日の過払いと、10月22日の借り入れという2つの債権債務が併存するというややこしい話になってしまう。
「当事者は、このような複数の権利関係が発生することを望まないのが通常」とされている。
この表現は、平成15年の最高裁判決で、「AとBの2つの貸付があり、Aが過払いになった場合、過払い金は、Bに充当できるか」という論点について、「できる」という判断になったときの理由付けと同じである。
この理由付けを応用していけば、過払いを別口に充当できる範囲が広くなる。
平成19年02月13日判決では、この理由付けが消えてしまい、過払いを別口に充当することが否定されてしまったので、最高裁は立場を変えてしまったのか、と心配されていた。
いずれにしても、この判決によって、中断が短期間で、前の取引と同じような貸付であれば、連続した取引、とみてもらえる可能性が高くなったことになる。
残された問題としては、中断が長い場合(一旦完済してから、5年、10年経ってからまた借りる人もいる)、前の取引と後の取引で、会員番号が違うなど、同じ取引の繰り返しといえるか、微妙な場合、ということになる。

07月20日(金)

2年間やっていた訴訟について和解成立。
一時は原告も道連れに倒産覚悟、まで行った話であったが、こちらからある程度の割合を払って、債権者もかなり譲歩して成立となった。
お互いにとってよい内容だったと思われ、こういう内容で解決できると、裁判官(何度か書いたおしゃべりな人)もよい人に見えるから不思議だ。
この件、会社の経営者に「A派」と「B派」がいて、どちらも、個人的に、会社に多額の貸付をしていたのだが、途中で「B派」が、やっぱりその金は返してくれ、として起こしてきた訴訟だった。
「A派」からみると、貸付とはいっても、事業が軌道に乗るまでは返せないことはお互い承知でやっていたことで、事業が操業赤字の今の段階で返せるわけがない、貸付といっても実質は投資で返済義務はない、と主張していた。
和解で終わったのでこちらの主張の当否は決められなかったが(一般的にはなかなか難しい主張だが、類似例でこのような主張が認められているものもある)、「資本(株)」と「負債(貸付)」の違いについて色々考えさせられた。
「資本(株)」には返済する義務はない代わりに、株主は会社の経営権がある。「負債(貸付)」は、返済する義務はあるが、債権者は会社の経営に口を出す権利はない、というのが法律の教科書に書いてあること。
しかし、実際には、多額の貸付をしている側が、「自分の言うことを聞かないなら貸した金を返せ」と言ってきたら、会社としても言うことを聞かざるを得ないので、債権者も経営に口を出せるということになる。
これが、(ちょっと前まで?)銀行が産業界の中心であった背景で、起業家や会計士には当たり前の話だと思うが、(私だけかもしれないけど)弁護士とか法律畑の人は以外と分かっていないように思われる。
事務所に帰ってメールをチェックしたら、また過払い問題について最高裁判決が出たとの情報が来ている。これは週末に書きたい。

07月19日(木)

不動産関係の相談があった。
土地を時効で取得した、という人から、訴訟を起こされている。
土地を時効で取得するためには、最低でも10年間はその土地を占有していたことを証明する必要があるのだが、今回の土地は山の中の雑木林。
相手側は、どうやって10年間の「占有」を証明するのだろうか。相手側なりの言い分はあると思うのだが興味はある。
午後はあまり電話もなく、書面の作成。
裁判については、期日の1週間前までに書面を作成することににしている。
最近遅れ気味だったがいくらか取り戻せた。

07月18日(水)

水曜は例によって債権者集会。
管財人が破産した人の不動産を売却しようとしているのだが、SFCGが、抵当権の仮登記をつけている。計算では過払いになっているのに、登記の抹消に応じないので、なかなか売却できず、手続が長引いている。
この会社は前からずっとこんな感じ。あまりにも行いが悪いので、一連の貸金業法改正の原因となった面もあり、その意味では功績があるといえなくもない。
破産方向の相談について、取引期間が長い債権者が多く、相談者が自分で履歴をとってきていたので、「過払いがあればそこから費用を精算してもらうので、自己負担は少しでもよいかも」という話をしていた件があった。
利息制限法の計算をしてみたら、まだだいぶ債務は残っていた。
取引期間が10年以上でも、途中で中断期間があったり、最近借入額を大幅に増やしていたりすると、過払いになっていない場合もある。
「債務整理したいが費用を支払う余裕がない、でも取引が長い債権者が多いので、過払いかも」と思っている人は、自分で履歴を取り寄せた上で相談に行くとよいかもしれない(対応は弁護士によって違うけど)。

07月17日(火)

相談2件と、裁判の期日のため裁判所に3往復(徒歩1分ですが)。
30分と座ってられないのであわただしいが、来週期日の件の準備書面などを作成する。
1件は交通事故の関係。前にも書いたが、現地に行って、運転状況を再現した写真撮影をしてきた。
デジカメで動画もとってきており、動画を見てもらったほうがわかりやすいのだが、動画の場合、裁判所で「上映」するための機会も用意しないといけないし、扱いが面倒。今後扱いを検討することにする。
債務整理の相談もあったが、最近は「軽傷」の人が増えた。
一つは、債務が返済できなくなった場合はどうすればよいか、という情報が広まってきたのと、貸金業法改正の影響で、何件も借りられなくなったことが影響していると思われる。
5年くらい前は、1人10件近くは平気で借りていて、さらにヤミ金からも借りた段階で行き詰まって相談に来るということが多かった。世の中?もだんだん正常化してきたのかもしれない。

07月16日(月) 弁護士法23条の2の照会

弁護士法23条の2には「弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、『公務所または公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めること』を申し出ることができる」とあり、略して、23条照会と言われる。
ややこしいが、団体に照会(問い合わせ)をするのはあくまでも弁護士会で、個々の弁護士は、弁護士会に、「○○の役所に○○の照会をしてください」と要請し、弁護士会から、照会の結果を教えてもらう、という形になる。
役所としては、法律上の根拠がない照会には答えにくい場合がある(とは言っても答えることを禁止されていない限り、公開可能な情報は公開すべきだと思うのだが)。
こういう形になると「法律的な根拠のある照会」という形になるので、回答が来やすくなる(それでも拒否される場合もある)。
活用例としては、相続関係の事件で、銀行の残高や保険の加入状況の問い合わせや、相手が悪徳商法の場合は、国民生活センターに、その業者に、どの程度の苦情があるか、問い合わせる、というようなものがある。
また、役所への届出が有力な証拠となるような場合にも使われる。
A会社がB会社に営業譲渡をして、「両社は無関係だから、B会社はA会社の債務を引き継がない」などと主張している事件で、営業譲渡の届出をした役所に照会をしたら、「B会社はA会社の子会社です」などと書いてあったこともあった。
このように、関係する役所などに有力な証拠が眠っていることもあるので、関係する届出や記録を残す制度がないか、検討するとよい場合もある。

07月13日(金)

昨日行けなかった接見に行く。
昨日は検事調べ(地元の警察ではなく、検察庁での取り調べのこと)だったとのことだが、ちょっと変だなと思っていた。
今週火曜にも、検事調べがあり、そこで、あと10日の勾留延長となっていた。
通常、検事調べは、最後の「締め」として行われる(それまでは警察が取り調べをすることが多い)。
今回は、前回の検事調べから3日しか経っておらず、勾留期間も残っているのに、また呼ばれるというのは変わっている。
この点を本人に聞くと、「処分保留にする」、と言われたとのこと。(ただ、それと同時に、全く別の件で再逮捕となった…)。
「処分保留」とは言っても、勾留期間内に起訴できるだけの証拠が見つからなかった、ということだから、今後も起訴されない可能性が高い。
今週火曜に出した文書の効果があったのだろうか。
そうだとすると、弁護活動で実質無罪に持ち込めた成功例ということになる。逆に、今回のような証拠がなければ、「容疑者の言い分は信用できない、被害者の言うことは信用できる」として、「冤罪」になりかねない例だったことになる。
もっとも、現実には、検察側がどのような証拠を持っており、どのような理由で保留にしたのか、こちらは知ることはできない。私の活動など全く関係なかったのかもしれない。
午後から、千葉で集団訴訟、夕方東京に出かける。今週は週3日東京。

07月12日(木)

今やっている訴訟について打ち合わせ。
強気で行くには若干材料不足かなという感じもして、方針について迷っている。もう少しこちらに有利な証拠がないか調べてみよう、ということで、関係機関への照会の文書を作る。
この照会は、「弁護士法23条の2に基づく照会」と言って、まず、弁護士が、所属する弁護士会に、「○○の役所に照会をしてください」という申請をする。その上で、弁護士会が内容を審査して、問題がなければ、弁護士会が、役所に照会をする、という形になる。
役所としては、弁護士個人からの照会には答えづらくても、弁護士会のような公的な機関なら答えやすい、ということもあるのか、こういうややこしい形になっている。
しかし、最近は、「個人情報保護」を口実に、回答が拒否されることが多く、問題となっている。
実際のところ、情報保護について真剣に考えているというよりは、回答する手間を省くための口実にしていると感じられることが多い。
最近、プライバシーを重要視する風潮が強いが、あまりそればかり言っていると、必要なときに情報が手に入らない、という事態になりかねない。
「裁判を起こされて、裁判所から、訴状が来たのだが、第1回口頭弁論期日が来週になっている」という問い合わせが来る。
第1回期日は、「争うか争わないか」だけはっきりすればよいので、そんなにあわてる必要はない。
夕方、東京に出かけ、8時に戻ってから接見に行こうとするが、被疑者は千葉の検察庁に連れられて行っており帰って来ていないとのこと。
翌日の朝行くことにする。

07月11日(水)

水曜は例によって破産の日。
「申立側代理人」であったり「破産管財人」だったりと、立場を変えて、7件ほど期日がある。
昨日書き忘れた雑談を一つ。
東京の日弁連での会議の後、日弁連の地下にある食堂?で飲み会をしたのだが、私の席の後ろに、焼酎のボトルがキープしてある。半分くらいの飲みかけで、キープしてある人の名札?がついている。
私たちも焼酎のボトルを注文したのだが、店のおばちゃんが「○○先生のお借りしよ…」とつぶやきながら、私の後ろにあるボトルをどこかに持っていく。
しばらくして出てきたボトルは、中身は満タンだが、キャップは開封済み。
ちゃんと、「○○先生」には後で戻してあげたのだろうか…

07月10日(火)

朝、某役所に問い合わせていた事項(06日参照)について、速達で回答が届く。
こちらの言い分を裏付けることが書いてある。役所の言うことは信用性が高いので、有力な証拠となる。早速、別の某役所に提出する。
刑事事件なのだが、第三者の証人なんてもともといない種類の事件も多いし、証人がいたとしても、「やくざの友達」のような感じで、あまり信用してもらえなそうな人のことが多い。
今回のように、役所にきちんと記録が残っている、というのは珍しい。
三和ファイナンスに対する過払い訴訟2件。10年以上前の取引履歴はなかなか見つからないとがんばっている(ただ、「ない」と言って、後で出てくると、また処分されかねないと思っているのか、「ない」とも言わない)。
裁判官からの説得にかかわらず、その一点張り。おそらく、裁判に出てきている社員は、言われている意味を理解していないし、会社に持ち帰ってきちんと伝えても、上層部からの決裁をもらえない仕組みになっているのではないかと思われる。
夕方、会議のため東京に出かける。

07月09日(月)

午前、相談1件。
AがBに対して、1000万円の売掛金を有していた。支払期日は1年後。その後、Aが、この売掛金を、第三者のCに譲渡した。
その後、今度は、Aが、Bに、「すぐ返すから」と言って、1000万円を借りたが返さない。
そうしている内に、最初の売掛金の支払期限が来て、Cから、1000万円の請求がされている、という内容。
B(相談者)としては、この売掛金も、もとはAが債権者だったわけだし、自分が貸した1000万円と相殺にできないか、という話。
結論としては、なかなか難しい、ということになると思うのだが、色々特殊事情もあり、何らかの交渉ができないか検討することに。
その後、1件一宮の裁判の期日に出た後に、千葉で証人尋問。
ほかの弁護士と共同してやっているもので、今回は、相手側の証人が出てくるので、分担して、反対尋問をする。
テレビか何かのように、反対尋問で、証人の証言が崩れる、などということは実際にはあまりない。
相手も認めざるを得ないような事実を少しづつ確認していって、相手の証言には疑問がある、という方向に持って行くことが目標となることが多い。
夕方、事務所に戻り、打ち合わせ1件の後、警察に接見へ。

07月08日(日) 少額の債権の請求

10万、20万くらいの少額のお金の貸し借りや、損害賠償請求の場合、弁護士を頼んだら赤字になってしまうかもしれない。
こういう場合、自分でできる手続はないか、と考えることになる。
手続としては、(1)内容証明郵便を出す、(2)調停を起こす、(3)裁判を起こす、というものが考えられる。
私は、この種の相談を受けた場合、裁判がよいのでは、と話すことが多い。その理由は以下のとおり。

(1)内容証明郵便
しょせん郵便なので、何度も払えと言って払わなかった人にはあまり効果はないと思われる。

(2)調停
裁判所での話し合いだが、強制力はないので、相手が出てくるかどうかも自由だし、出てきても「払いたくない」と言われればそれまで。
時間もかかる割には効果は薄いので、あまりおすすめできない。

(3)裁判
一見難しそうだが、簡易裁判所では、穴埋め式のような形で、ある程度簡単に書ける文書を用意している。これを利用すれば何とかなる。
費用も数千円程度。
裁判は強制力があり、相手が出てこなければ、こちらの言い分を認めたものとみなされ、それを前提に判決が出ることになる。
判決が出れば、給料の差押えなどの強制執行ができる。
相手が出てきた場合、裁判所が間に入り、分割払いの約束がまとまることもある。これも、約束に違反すれば、強制執行ができることになる。
相手が争ってきたら、それなりに労力はかかることになるが、勝つにせよ負けるにせよ、必ず最後には決着がつく。
10万、20万の話で、調停などを長々とやっているよりも、精神衛生によいと思われる。

ただ、相手の支払い能力には注意する必要がある。
勤め先を転々としているというような場合は、給料の差押えもなかなか難しいかもしれない。
ほかにも借金がある、という場合は、手続をやっている最中に自己破産されてしまうという場合もある。
相手の支払い能力は、裁判ではどうにもならない問題なので、この点はよく考えておかないと、せっかくやっても無駄、ということになってしまう。

07月07日(土) 亡くなった方の財産からの分与請求

やや遠い親戚のおじいさんに、身寄りがないので世話をしたが、亡くなった、という場合、「今思うと、世話をするのにお金も立て替えたし、労力も使ったから、その人の残したお金に対して何らかの権利はないか」と思う場合がある。
法律上、相続の権利があるのは、本人の妻・子・親・兄弟・兄弟の子までで、それ以上遠い親戚には相続権はない。
もちろん、勝手に自分のものにしてはいけない(犯罪だ)。
こういう場合は、まず、裁判所に「相続財産管理人」の選任手続をとる。
管理人が選任された後、財産は、一旦管理人に引き継ぐことになる。
その後、管理人と裁判所で、「相続する権利のある人や、本人に対して債権がある人は名乗り出てください」という官報公告をする。
この段階で、建て替えたお金は、「本人に対する債権」として、払ってもらえる余地がある。
以上の手続を経ても、相続権者や債権者が現れず、財産が残った場合、生前世話をしていた人などの「特別縁故者からの分与申立」ができる。
これには、生前世話をしていたことについて、ある程度の証拠があったほうがよいので、関係する資料(領収書や日記など)はとっておいたほうがよい。
これが認められれば、生前の世話の内容によって、ある程度の割合は、分与してもらえることになる。

07月06日(金)

朝8時半から、千葉の某役所まででかける。今やっている裁判で、有力な情報を持っていそうなので電話したが、「電話では答えられない」というので、やむを得ずでかけた。
ところが、出てきた担当者は「正式に文書で照会をもらわないと…」などという。しかし、本人の依頼で、本人に関することを聞きに行っているのだから、文書も何もないはず。
あまりやりたくないが、一通りごねる。何とかなりそうな雰囲気。
その後検察庁に寄って、10時からの千葉地裁での裁判に出かける。
12時に事務所に戻るが、1時から、大多喜で県の法律相談なので、急いで昼食をしながら、急ぎで出す文書も作る。
1時から4時まで、法律相談だが、今日は空いていたので早めに終わる。
少額の金銭請求について相談があったが、私は、根拠がある程度しっかりしているものは、自分で裁判を起こしてしまうことを勧めている。その理由は週末に。
4時に事務所に戻り、4時40分からの一宮での裁判に出かける。
こういうふうに書くと忙しそうだが、あちこち移動しているだけのことなので、一日中事務所にいて文書を作っているより楽だったりする。

07月05日(木)

今日も昨日に続いて接見。
接見後、事件の担当刑事から、事件の状況について教えてもらう。
事務所に戻って、いくつか裁判所に提出する書類を完成、提出する。
財産管理の収支報告、裁判の準備書面など。
9月に、某所で過払い訴訟の講義をすることになっている。あと2か月になったのでそろそろ準備をする必要がある。
私も一通りのことは話せると思うのだが、今回は時間が4時間も割り当てられている。こんなに話すことがあるだろうか…
とりあえず、判例検索サービスで昔からの最高裁判例を印刷して整理する。
業務日誌のもくじから、このページへのリンクを作っていなかったので作成。

07月04日(水)

出勤前に警察に寄り、接見(刑事弁護)。
昼間のんびり出かけていると、ほかの仕事ができなくなるため、接見は早朝か夜になる。
事務所に着いてから簡単な打ち合わせ1件。あとは書類仕事をする。
相続財産管理人をしている件について、「特別縁故者への分与申立」があるので、意見を述べられたい、との連絡が裁判所から来ている。
これは、相続人がいない人の財産について、生前世話をしていた人などが、財産を分与してほしい、という請求(誰もこのような請求をしない場合、財産は国のものとなる)。
その証拠として、世話や手伝いをした記録を書いたノートが提出されているのだが、その都度書いていたものなのか、後から思い出して書いたものなのか、よく分からない。当然、その都度書いたもののほうが、信用性は高い。分与請求者にどっちなのか確認の電話をする。
もっとも、その人は、亡くなった方の財産をきちんと保管し、管理人に引き継いでいるので、必ずしもはっきりした証拠がなくても、基本的には信用できるとみてよいと思われる。

07月03日(火)

千葉先物取引研究会に出かける。千葉で先物取引(の裁判)をやっている弁護士の勉強会。
事例報告で、70歳で、1か月で1000万円の損害が出た、という事例の発表があった。
高齢者にこれだけの損害を負わせたのだから、それなりの解決になるはずの内容であるが、結論としては損害の3割くらいの返還を受けることで和解となったとのこと。
原因としては、本人に、見栄もあるのか、明らかに本人がサインしている書類について「見た覚えがない」と言ったりしていたため、裁判官から、この人はあまり信用できない、と思われたことが、原因の一つだった模様。
業者に対する損害賠償で、本人にも責任がある、として、賠償額を減らされてしまうことを「過失相殺」という。
以前、全国先物取引研究会に行ったことあり、そこで、裁判所の過失相殺の傾向を分析した研究結果の発表があったのだが、結論は「傾向を定式化することは不可能」とのことであった。
交通事故のように、どちらが信号を無視した、という単純な話ではないので、やむを得ない面もあるが、当たった裁判官のさじ加減で、かなり結論が変わってしまうというのは問題ではないかと思う。

07月02日(月)

午前、債務整理関係の打ち合わせ。債務整理の場合、業者から取引履歴を出してもらい、その内容が間違いないか、本人に確認してもらう。
今回は、10年以上前の古い通帳を持っている方で、業者の記録している貸付額と、通帳に入金された額が違っているとのこと。
1件は、業者側の記録では、20万円貸付となっているが、通帳には15万円しか入っていない。
確かにおかしいが、よく見ると、その前日に、5万円の返済が記録されている。要するに、20万円借りたうち、5万円はそれまでの借り入れの返済に回したことにして、残金の15万円を振り込んでいることになる(単なる借り換え)。
最近、業者が、途中で完済があると、取引の中断を主張してくることが多いが、これのような形の完済の場合は、取引が継続していることになると思われる。
午後から遺産分割の調停に出かける。この件は途中から引き受けているので、私も内容を完全に把握していない。
調停の場合、お互いの主張が文書で出てくるわけではなく、口頭でのやりとりが中心なので、一度行ってみないと状況は分からない。
というわけで、今回は依頼者の隣に黙って座って、状況の把握に努めることとなる。