業務日誌 2007年04月
04月28日(土) GW休業
GW中は休業です。このページも更新なし。
04月28日(土) 特定商取引法
訪問販売や通信販売は、悪質な販売が行われる危険のある取引なので、これらについて、消費者の保護をするための法律。以前は「訪問販売法」と言われていた。
現在は、以下の取引が規制対象となっている。
(1)訪問販売
(2)通信販売
(3)電話勧誘販売
(4)連鎖販売取引(マルチ商法)
(5)特定継続的役務提供(英会話学校など)
(6)業務提供誘引販売取引(内職商法)
以上のように、適用範囲がひろがっているため、「特定商取引法」という名前となっている。
消費者の救済にとって重要な制度として、以下のものがある。
(1)クーリングオフ
(2)不実の告知(健康食品でやせられます、というように、うそを言って販売すること)があった場合の取り消し
(3)不利益事実の不告知(リゾートクラブの会員権を販売する際に、1室に100名の会員がいて、まともに利用できる状態ではないことを黙っている、など、不利な事実を隠して販売すること)の場合取り消し。
悪徳商法は、この法律のどこかにひっかかることが多いので、疑問がある契約については、消費者センターや専門家に早めに相談をしたほうがよいと思う。
04月27日(金)
午前、交通事故訴訟の第1回期日。こちらが主張する損害について、被告から「ここは認めるがここは争う」というような答弁書が出る。詳細は次回に主張するとのことで、本日は終了。
その後打ち合わせ2件。破産のつもりで受任した人が、過払いなどもあり、任意整理方向となる。債務が多額であれば、破産となり、それ以上支払わなくてよいことになる。過払いなどで、100万円以下に減ると、返済可能な範囲ということで、返済の方針となることが多い。債務が多い方が得というのも変な話だが、今回の方は、破産すると多少面倒な問題が出てきそうな人なので、まあよかったのだろう。
10分で昼食をし、過払い訴訟のため八日市場まで行く。戻ってきてから再び打ち合わせ3件。
連休中は休みにするつもりなので、今日中に発送する書類も多い。
昨日、東京に行ったついでに、離婚の際の年金分割の本を買ってきた。法律が改正となる前後には、解説本が色々出るのだが、内容があまりない便乗本も多いので、はずれを引かないよう見極めることが必要だ(大げさ)。今年4月の法律施行前にもいくつか出ていたが、そういう理由で購入を見合わせていた。年金分割も、実際に手続をやったら、レポートしてみたい。
04月26日(木)
4月10日の続きで、クレジット関係の法改正の活動。「特定商取引法」「割賦販売法」の審議会の傍聴。
「特定商取引法」は、訪問販売や通信販売など、商品の「売り方」に関する法律。「割賦販売法」は、クレジットの分割払いなど、「クレジットの仕組み」に関する法律。
現在、最も問題があるのは、「クレジットを使って、訪問販売で、高額な商品をむりやり販売する」という商法であるため、両方の法改正が検討されている。
「特定商取引法」については、訪問販売を行う業者を、経済産業省への登録制にしてはどうか、という点が議論されている(現在は登録もなく自由に営業できる)。しかし、登録制といっても、何万件もある業者がちゃんとした業者かどうかを、いちいち審査することは不可能。このため、「役員に前科がないこと」など、形式的な条件で登録の審査をすることになると思われる。しかし、このような登録では意味がない(ヤミ金も、貸金業登録の条件が緩いため、登録業者が多数であった)。かえって、「登録しているのだから」ということでお墨付きを与えることになりかねない。そうすると、登録だけでは不十分で、販売に用いられるクレジットの規制も強化する必要がある、ということで、「割賦販売法」の審議会につながるわけだが、こちらは定員オーバーのため傍聴できず。他のメンバーから様子を聞くことに。
04月25日(水)
某所から、クレジット問題についての研修の講師の依頼がある。人前で話すのは苦手だが、呼んでいただけるのは光栄なので、引き受けることに。
後で送られてきたプログラムを見ると…私の前後の担当が、この種問題の権威の先生方となっている。私なんかが行ってもいいのか?たぶん、私の担当も、最初は別の人に頼んだのだが、その人と予定が合わなかったので、私のところにまわってきたのだろう。
相当勉強しないと、途中で「帰れ」と言われてしまいそうだが、前向きに考えて勉強することにしよう。
04月24日(火)
午前中、千葉で小さな会社の破産事件債権者集会。会社の破産は、会社の規模や残っている財産によって、やり方が色々あるように思われる。私は、今までの経験から、(1)相談後、突貫作業で、最低限の内容を整理し、裁判所に破産申立書を提出する。(2)そうすると、裁判所が「破産申立受理票」を出してくれる。(3)この段階で、債権者に「破産申立の通知」を行なう(裁判所の受理票も同封する)。という方針でやっている。
このあたりもいずれ詳しく書きたいが、この方法が、債権者からの苦情も少なく、良い方法ではないかと思っている。裁判所に手続をとっていることがはっきりしているので、不透明な要素が少ないからだと思う。この件は、管財人の努力もあり、10%台の配当となった。債権者からは不満だろうが、この種事件としてはよいほうであることも事実。
午後は一宮に戻り、離婚と過払い訴訟の期日、事務所で不動産や貸金関係の相談。
04月23日(月)
日・月と、集団事件の弁護団会議の合宿(経費は自腹…)に出かけていた。
大規模な集団事件は、弁護士何人かで分担してやるのだが、煮詰まってくると、他の弁護士の分担部分がどうなっているか分からなくなってくるので、泊まりがけで状況の整理や今後の方針の議論をする必要がある。
合宿終了後、一旦事務所に戻るが、夕方から別の弁護団の会議が夜10時まで。さすがに疲れる。
04月22日(日) 証人尋問
裁判というと、法廷での証人尋問を連想される方も多いと思うが、現実の裁判の中では、それほどウェイトは高くない。
なぜかというと、(1)人間の証言が本当のことかどうかの判断は難しい。Aさんは、「信号は赤だった」といい、Bさんが、「信号は青だった」と言っている場合、どちらが本当かは神様でもなければ分からないだろう。このため、他に全く証拠がなければ、「真偽不明」とされる可能性が高いと思われる。
(2)手続の負担が大きい。裁判所からみると、尋問にはある程度の時間をとらなければならないので、1日で、裁判所が100件、200件と抱えている事件のうち、1件の事件程度しか、尋問はできない。
このため、尋問の前に、それ以外の証拠をお互い全て提出し、それでも双方の見解が一致しない部分に限って、証人に聞く、ということになる。
出典は忘れたが、裁判官へのアンケートで、8割くらいは、証人尋問に入る前に、心証はある程度決まっている、という調査結果もある。
法律相談をしていると、はっきりした証拠はないが「○○さんも見てます」「まわりの人も知ってます」という話を聞くことがあるが、弁護士としては、「相手が争わなければそれでもよいが、争ってくると、それでは難しいのでは」と回答するしかないことが多い。
このため、契約書を作ったりすることが重要になるわけで、少なくとも、これから契約をしようという段階では、人がどう言った、という話はあてにならないものと考えて行動したほうがよい。
04月21日(土) クーリングオフ
訪問販売など、問題の発生しやすい取引で物を買ったりした場合、無条件で契約を解除することができる。解除できる期間は、原則として8日間。
このことを知っている方は多いと思う。それでは、8日間経ったらクーリングオフは一切できなくなるのだろうか?必ずしもそうではない。
「特定商取引法」では、(1)販売店は、契約の際に、詳細に契約内容を説明する書面を交付しなければならない(特定商取引法と、同法施行令で、10以上の必要項目が定められている)。(2)クーリングオフの期間は、この書面が交付されたときから経過する。と定めている。
したがって、きちんとした書面が交付されない場合(書面が全く交付されない場合だけでなく、一応交付されたが、法律で定める記載事項が全て書かれていない場合も含む)は、クーリングオフ期間は経過しないことになる。したがって、理屈としては、いつまでもクーリングオフが可能、ということになる。
書面が全く交付されない場合はあまりないが、記載に不備があることは結構ある。不備が多いのは、(1)商品名及び商品の商標又は製造者名、(2)商品の形式又は種類、だと思う。
たとえば、「ダイヤリング
AB-123(カタログの番号)」という程度の記載しかないことが多いが、これでは、商品の品質をはっきりすることができないので、「商品の形式」の記載があったとはいえないはずである。
このように、細かく見ていくと、8日間経ってもクーリングオフ可能な場合があるので、疑問がある方は専門家に相談するとよいと思う。
04月20日(金)
境界の裁判の期日の後、急いで横浜地裁川崎支部に向かい、証人尋問。こちら側の証人が主であり、何を話すか事前に分かっているので、それほど大変ではないが、始まるまでは緊張する。証人尋問はその場の勝負で、「後で調べてくる」ということができないので、試験の前の学生のような心境かもしれない。終わるとほっとする。
尋問終了後、裁判官が、こちら側の依頼者に、和解しないかという話を延々とする…。これ自体はよくあるパターンだが、その話し方が何とも独特。オヤジお笑い芸人(ボケ)風?書記官もプッと笑っている。こんな人が裁判官でいいんだろうか…(悪口ではないがほめているわけでもない)。
04月19日(木)
遺産分割の調停があった。何代も前からの話なので、関係者が20名以上いる。こういう場合は、一人一人の相続分は小さくなっており、もう関心がない、という関係者も多い。こういう人に事前に交渉をして、「相続分の放棄」などをしてもらって、関係者を絞る必要がある。
夕方、集団事件の関係で、不動産鑑定のことについて調べる必要があり、他の弁護士と鑑定士事務所を訪問。この件は、金融庁が、平成14年2月に破綻した船橋信金にだけ厳しい検査をし、破綻させたという訴訟。国は、「船橋信金は不動産の評価について簡易鑑定しかしていないのだから、厳しくあたって当然」というような主張をしている。
しかし、鑑定士の先生によると、銀行などは、バブル崩壊前までは、正式鑑定をしていた(これは、不動産の評価額を上げて、たくさん貸付をするため)が、バブル崩壊後はどこも簡易鑑定になっている、とのこと。そうすると、船橋信金だけ厳しい検査をする理由はないことになる。
ただ、こういう「業界の常識」のようなものは、みんなが知っていても、記録として残っていなかったりするので、裁判で証明するのは難しいこともある。
04月18日(水)
法律扶助で破産を1件受任。法律扶助とは、弁護士費用が用意できない場合に、立替払いしてくれる制度(後で返済する必要があるのでただになるわけではない)。適用できる場合は限られているが、高齢者や病気で収入がないような場合の破産は、この制度を利用することもある。いずれ詳しく書きたい。
これとは関係ないが、司法支援センター(法律扶助を取り扱う団体)から、破産を1件引き受けられないかとの連絡。依頼者はちょっと遠くの人だが、なぜこちらにまわってくるのか?昨年から、法律扶助は、司法支援センターとの間で、色々継続して引き受けるという契約をしていないと、取り扱えないことになっている。しかし、この制度には、弁護士から見て、問題が多く、反発して契約を拒否している人も多い。弁護士が少ない地方部だと、なかなか引き受け手がいないのかもしれない。
04月17日(火)
クレジットの次々販売事件訴訟について、第1回の口頭弁論期日があった。一人暮らしの高齢者に、クレジットを組ませて、高額な商品を次々と販売したというもの。合計数百万円。商品の販売店と、クレジット会社に、「クーリングオフにより契約は取消された」「割賦販売法の過剰与信防止義務に違反している」として、これまで支払った代金の返還を求めている。
この種の事件について弁護士に相談を行くと、債務整理の問題として扱われ、返済不可能な場合は自己破産となることが多いと思われる。そのような処理が適切な場合も多いのだが、高齢者で、収入はないが家は持家、という場合、破産すると家がなくなってしまう。
あまり前例もなく、確実に勝てるという約束もできない裁判だが、あっさり家をあきらめるよりも、できるだけのことをする、ということでやっている。
04月16日(月)
過払い事件の準備書面2件分提出。どちらも相手が争ってきているが、大手が相手の件は、全額を回収すべく、妥協しない内容とする。中小が相手のものは、最近、ゆっくりやっていると、相手がつぶれてしまうのでは、という不安もあるので、争われる部分を最小限にするため、多少相手の言い分を認める形の内容にする。
午後、一宮簡裁に行った後、千葉まで外出予定だったが、外出先と都合が合わず、延期となる。空いた時間で、締め切りが近づいている書面を完成させる。連休の前後は予定が詰まることにあるので、当面やるべきことを改めて整理しないといけない。
他、離婚、債務整理、会社の整理の相談があった。
04月15日(日) 法律相談センター
各地の弁護士会の運営する「相談所」のこと。
千葉では、千葉、浦安、船橋、成田、佐原、銚子、八日市場、東金、茂原、鴨川、館山、袖ヶ浦にあり、全国的に見ても充実している(連絡先は、「千葉県弁護士会」で検索すれば分かります)。
千葉県弁護士会の弁護士が、交代して担当している。ただし、都市部以外のセンターは、その近辺の弁護士の数が少ないため、千葉あたりから弁護士が来ることが多い。「相談だけでなく、手続を依頼したい」という場合には、不便かもしれない。
また、似たようなものとして、「市町村などの無料法律相談」「法テラスの相談」など、色々な窓口があるが、千葉県の弁護士が交代で担当していることはどこも同じ。中身は一緒なので(ただ、無料相談は時間が短い場合もある)、窓口選びで迷う必要はなく、自分の都合に合うところに行けばよい。
弁護士を探している場合、こういうルートで、2、3人会ってみるのがよいのではないかと思う。
04月14日(土) 下請けの場合の損害賠償義務者は誰か
A社に設備の工事を頼んだが、A社は、実際の工事は下請けのB社にやらせた。B社の担当者Cのミスで、設備が壊れてしまった。A社に損害賠償を請求したら、「ミスをしたB社に請求しろ」と言われた。B社に行ったら「元請けのB社に言え」と言われた。
この場合、A社とB社のどちらに請求したらよいのだろうか。
正解は、「どちらにも請求できる」。
まず、A社は、「工事の請負契約」により、きちんと工事を仕上げる義務がある。この義務を果たせなかった以上は、損害賠償責任がある。これは、(専門的には正確な表現ではないが)、結果責任である。ミスをしたのが自分の社員でなくても、責任を免れることはできない。
次に、B社は、発注者と直接の契約関係がないので、A社のような契約責任はない。しかし、契約関係はなくても、過失で人のものを壊したりした場合は、損害賠償責任を負うのは当然である。これは、不法行為責任といわれる(民法709条)。
ただし、会社という目に見えない存在が物を壊すことはありえないので、本件のような場合は、次のような複雑な説明になる。
まず、直接物を壊したのは、B社の社員Cなので、Cは民法709条の不法行為責任を負う。そして、B社は、Cを自らの業務に使っていたので、Cの不法行為について、「使用者責任」を負う(民法715条)。
実際にこのような事態にあったら、まずは、契約の相手方であるA社の責任を追及するのが筋ではある。ただ、A社が倒産してしまったような場合は、それ以外に、賠償を請求できる者がいないか、検討する必要が出てくる。
この例では、契約の相手がA社であることははっきりしていたので、問題は少なかった。しかし、実際には、A社は契約の相手ではなく、B社を紹介しただけ、という場合もあり、A社の責任を追及できるか、判断が難しい場合もある。
会社の営業譲渡が珍しいことではなくなり、インターネットの取引のように、相手と会わない契約が増えてきた。「契約の相手は誰か、それ以外に契約の実行に関わっている者はいるのか」はよく確認しておく必要がある。
極端な例では、自分のつとめている工場が倒産したり買収されたりで、自分が今どこに雇われているのかよく分からない、などという話も聞くこともある。
04月13日(金)
集団でやっている残業代請求事件の期日のため、千葉地裁まで出かける。ある会社の元従業員が、退職後に、それまでサービス残業していた退職金を請求する事件。
残業代問題についてもまた詳しく書きたいが、とりあえず、(1)退職後でも残業代は請求できる、(2)過去2年分請求できる、(3)会社は、過去の勤務時間の調査に非協力的なことが多いので、自分で勤務時間の証拠を残しておくことが必要、という点くらいは、覚えておいたほうがよいと思う。
04月12日(木)
売掛金約1000万円の支払が滞っているので回収したいとの相談があった。しかし、相手の状況を考えると、強制執行しても回収できるか疑問がある状況。債権回収の事件は、裁判としては難しいものではないが、回収の見通しが立たない限り引き受けづらい(弁護士費用の分だけ損させてしまうかもしれないから)。
しかし、この件は、額が大きく、何もしないであきらめるのもどうかとも思った。「ダメもとでもよいということなら、やってみてもよいかもしれない、よく考えてきてください」と回答。
その後、債務整理の相談を2件した後、千葉地裁八日市場支部へ。その後千葉の某弁護士事務所に直行。夜8時まで弁護団会議に参加。
04月11日(水)
午前、個人再生・破産の「審尋期日」4件。千葉地裁一宮支部では、水曜日にこの種事件の期日があるため、何件も重なることもある。
午後から千葉県弁護士会の「東金法律相談センター」での相談担当。「A社に仕事を頼んだが、A社は、下請けのB社に仕事をさせた。B社のミスで損害が発生した。この場合、どちらに損害賠償を請求したらよいか」との相談があった。答えは週末に。
その後、一度事務所に戻り、特急ですぐ東京へ。昨日の活動の続きの会議に参加する。が、到着したらほとんど終わっていた。10分のために東京まで行ったことになる…
こういう状況のため、この2日間はほとんど事務所にいられず。私に限らず、弁護士は、「電話がなかなかつながらない」と苦情を言われることが多いが、このように外に出ていることが多いので、ご理解いただきたいところです。
04月10日(火)
通常業務は休み、東京で、クレジットの法改正(割賦販売法改正)の活動(国会議員に要請したり、経済産業省での審議会傍聴)に参加する。
「高い教材や宝石などをローンで買わされた」、という話を聞いたことのある方も多いと思うが、悪質商法にはクレジットがセットになっていることが多い。高齢者などに、「月1万円の分割払いだから」、などと言って、契約書にサインさせれば、現金では買わないような高額商品を販売することができるため。
日弁連や消費者団体は、悪質商法の被害が発生した場合、悪質販売店だけでなく、クレジット会社も共同責任を負うべき、と主張している。
この問題も継続してレポートしたい。
04月09日(月)
午前中、2時間かけて証人尋問の打ち合わせ。
午後は過払い訴訟の期日2件。その後、午前の打ち合わせに基づいて、証人への質問事項の修正をする。長々と聞けばよいわけではなく、時間の制限も厳しいので、思い切って、枝葉は切り落として、事件の全体が分かるような質問に絞る(つもり)。
不動産に関する契約が成立見込みとなり、司法書士の先生に、契約書の内容をチェックしていただく。数点誤りを発見していただく。
明日希望の相談申し込みの電話が少しあったが、明日は一日東京に行っているため対応できず。申しわけないです…
04月08日(日) 過払い金問題 その1(取引中断・消滅時効)
たとえば、1996年4月9日に完済となり、過払い金が発生している取引があるとする。完済の後、全く取引がなかったとすると、過払い金は、10年(2006年4月9日)で時効消滅する(民法167条1項)。
しかし、完済した1年後(1997年4月9日)に、同じ業者から再び借入れをし、この2度目の借入れについては、2007年に入ってから完済しているとする。
この場合、最初の取引と2度目の取引を別々の取引と考えると、最初の取引の過払い金はすでに時効となっていることになる。
これに対して、「最初の取引と2回目の取引は、一時的に中断はあるが、業者と借主の関係が完全になくなっていたわけではない。銀行の預金口座が一時的にゼロになっていたようなものに過ぎず、実質的には連続した取引である」と考えると、取引は全体として継続しているので、最初の取引の過払い金もまだ生きていることになる。
この点について、最高裁平成19年2月13日判決は、「基本契約がない取引の場合には、最初の取引と、後の取引を連続したものと扱わない」という趣旨の判決を出した。この考え方を前提とすると、上記の例でも、最初の取引の過払い金は時効ということになりかねない。
実際に過払い金請求案件を扱っていると、上記のような中断がある人は結構いるので、これは重大な問題である。
もっとも、通常のサラ金の場合には、最初の取引も後の取引も、共通の会員番号で取引していることが多い。このため、「最初の取引と後の取引は、基本契約に基づく連続した取引である」といえると思われる。しかし、取引ごとに会員番号が違っていたり、別の店舗での取引だったりすると、どうなるか?という疑問が出てくる。
過払い金問題は、2003年ころから、次々と最高裁が出て、消費者有利の方向で解決してきたが、これが、最後に残された比較的大きな問題と思われる。
まだ明確な結論が出ていない問題を書いて、分かりにくかったかもしれないが、状況に動きがあったらまたレポートしたいと思っている。
04月07日(土) 交通事故 その1
交通事故が起きると、損害賠償の問題が発生する。
損害賠償の問題は、通常、加害者が入っている保険会社との交渉になる。しかし、損害額について、被害者と保険会社の見解が違う場合がある。
損害額についての見解が違ってくる原因は、大まかにいって、以下の2つに分けられる。
(1)被害者は、加害者が信号を無視したと主張する。加害者は、その逆を主張する。というように、事故の状況について見解の対立がある場合。
(2)保険会社の損害の査定基準が低く、被害者が正当と考える賠償額に満たない場合。
(2)の具体例は、以下のようなもの。
事故で、足の関節が不自由になる後遺症を負ったとする。その場合、保険会社は、後遺症に対する慰謝料として、200万円程度の賠償額を提示してくる場合がある。しかし、この金額は低すぎる、として裁判にすると、裁判所は、300万円程度の慰謝料を認めてくれる可能性が高い。
なぜこのような差が出るかというと、損害額の査定について、裁判所が使っている基準よりも、保険会社が自分で定めている基準のほうが低いため(ちなみに、裁判所が使っている基準は、「民事交通事故損害賠償算定基準」といい、業界では「赤い本」とよばれている)。
逆に言うと、保険会社は、裁判になればもっと大きい額を払う必要があると分かっているのに、低い額しか提示してこない、ということになる。上の例では100万円の差だが、もっと重い事故だと、差は何百万になることもある(ただし、物損や、軽い怪我の場合には差が出ないこともある)。
こう考えると、極端な言い方をすると、保険会社が裁判所の基準どおりに提示してこない限りは、全て裁判にすべき、ということになる。しかし、実際には、このような仕組みを知らずに、保険会社の査定額で示談している例も相当あると思われる。事故は誰でも遭う可能性があるので、この程度のことは、常識として知っておくべきといえる。
04月07日(土) コラムはじめます
毎週土・日(のどちらか1日)には、その週にあったできごとを少し詳しく解説するコラムを書いてみたいと思います。
ある程度数が揃ったら、索引をつけて、事務所の業務内容紹介を兼ねるものとする予定。
04月06日(金)
今日が「休み」期間の最後の日なので、外回りの仕事を片付ける。
一つは、「相続財産管理人」として、亡くなった方の財産を管理している件について、銀行3軒に、預金を解約に行く。
午後は、別の件。亡くなった方の家に、その方の遺骨が放置されているのだが、お寺にその埋葬の相談に行く。埋葬まで弁護士の仕事とは自分でも知らなかったが、一つの経験になった?
破産の方針で引受けた方について、債権者から取引履歴を取りよせたところ、1997年4月9日に完済となった取引が、100万円以上の過払いとなっていた。「過払金がいつ時効になるか」については、いろいろ難しい問題があるが、単純に考えると、あと3日で10年経過し、時効となってしまう。とりあえず、時効の進行を止めるため、FAXで過払金の支払いを求める催告書を送る。ぎりぎりで気づいてよかった。
他、打合せ3件。夕方は千葉で「先物取引研究会」。
04月05日(木)
雑談になるが、毎年、3月末〜4月初めは割とひまだったりする。この時期に裁判官の異動(転勤)があり(3年に1回くらい)、裁判の期日が入らなくなるため。とくに、今年は、千葉地裁一宮支部の裁判官が異動となるため、期日が1件も入っていない。
その分、休み?開けの日程が詰まることになるので、仕事は前倒しで片付けておかないと後で大変になってしまう。
04月04日(水)
昨日証拠書類の準備をした件について、今度は、証人尋問の準備をする。証人の答を想像しながら「その場には誰がいましたか」「そこで、Aさんは何と言っていましたか」というような質問事項を書いていく。相手側の証人の場合は、ストレートに聞いても、こちらの希望する答は返ってこないので、「○○の回答だったら○○と質問、そうでなければ○○」というように、いくつもパターンを考えないといけない。
午後には、これとは別の裁判について検討。問題となっている取引に関して役所に提出した書類がある。8割方こちらの言い分を裏付ける内容となっているのだが、残りの2割がこちらの言い分と違う内容となっている。この2割のほうは、申請を通りやすくするため、適当なことを書いたのではないかと思った。その手続の専門家に、そういうことはあり得るか、と質問。あり得なくはないがどちらとも言えないとの回答。役所に提出した書類は、場合によっては強力な証拠となるので、これを提出するかどうか、後日依頼者と相談することにする。余計なものを出さなくても勝てる状況なら、無理に出すこともないかもしれない。
04月03日(火)
今日は、10、11、13、14、15、16、17(時)と相談・打ち合わせが7件。全部新規の相談だと、15時あたりでふらふらになるが、継続相談や簡単な打ち合わせも入ってのものだったので、それほど大変でもなかった。
合間に、昨日作った準備書面と一緒に出す証拠書類の準備をする。分厚い契約書や報告書のようなものをたくさん出すので、裁判官に読んでほしい部分にマーカーで印をつける。さらに、証拠の概要を説明する「証拠説明書」を作る。二度手間な気もするが、分厚い書類の場合、これくらいしないと裁判官もどこを見たらよいのか分からないことになってしまう。
また、近々調停が始まる相続事件で、関係者の1名の行方が分からなかった。色々書類を調べて、関係のありそうな人に、「その人の連絡先を教えてください」という手紙を出したら、電話が来て、「その人は入院している」とのこと。遺産分割協議は、関係者全員が合意しないと成立できないので、出席できない人がいる場合は、裁判所に「不在者財産管理人」などを選任してもらう必要がある。しかし、今回は、入院中であり「不在者」ではない。どうしたものか。とりあえず、調停期日で、関係者や裁判所と相談してみるしかないので、期日を待つことにする。
04月02日(月)
午前中は、交通事故の損害賠償請求の打ち合わせ。これまでの準備で訴状も完成しており、今日にでも訴訟提起するつもりだった。しかし、依頼者の方と話をしていると、もう少し見直した方がよさそうだと思った。追加資料を用意してもらった後、完成させることに。
午後は、4月下旬に証人尋問がある裁判に提出する文書(準備書面という)の作成。裁判は、1か月おきに行われることが多いので、一見ゆっくりしているようにみえる。しかし、間にこういう準備が必要なので、実際にはあまり余裕はない。
その他、裁判所に破産申立書4件、過払い事件の訴状1件提出。さらに、依頼されていた契約書や、細かな事務連絡の書類を作ったりしているうちに5時になる。
夜には、千葉で、「節電器商法事件」「悪質リフォーム事件」の弁護団会議があるが、サラ金の○○ミスからの電話に出ている間に電車に乗り遅れて(電車が1時間に1本なので…)出席できず。自分の割り当て分の作業だけして、メールで送る。
以上の出来事それぞれが詳しく書きたい内容ではありますが、一度にいっぱい書いても読みづらいと思うので、ぼちぼちやっていきたいと思います。
04月01日(日) はじめに
他の弁護士(に限りませんが)のブログをみていると、専門的な内容だったり主張あふれるものだったりして結構おもしろいです。
私はそんなにおもしろいことも書けないので、ブログをやろうとも思っていませんでした。
ただ、法律相談中、「あなたのホームページにこんなことが書いてありましたね」という話が出ることもあり、お客さんもあれこれ調べて来られているようでもあるし、考え方を知ってもらうのに便利なものではないかと思いました。
というわけで、4月から、1年間を目標にやってみたいと思います。